髙田英一氏塙保己一賞受賞記念祝賀会
3月21日(木・祝)の午後1時から認定特定非営利活動法人障害者放送通信機構設立二十周年記念式典と髙田英一氏塙保己一賞受賞記念祝賀会並びに認定特定非営利活動法人障害者放送通信機構設立二十周年祝賀会がありました。
会場は、全国手話研修センター3階で行われ、全通研を代表して参加してきました。
第一部は、認定特定非営利活動法人障害者放送通信機構設立二十周年記念式典でした。
司会は、吉田正雄さんと山本紋子さんのお二人です。
開会のごあいさつとして髙田英一認定特定非営利活動法人障害者放送通信機構理事長からありました。
続いて来賓祝辞として、石野富志三郎全日本ろうあ連盟理事長と宿谷辰夫全日本難聴者・中途失聴者団体連合会副理事長からありました。
経過報告として、大嶋雄三専務理事がスライドを使用してポイントをお話くださいました。
特に印象に残ったのが、国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU-T)で「目で聴くテレビ」の字幕・手話・音声解説付与の技術が、IPTVの国際標準規格(H.702)として認められたことでした。
その後、設立二十周年記念映像が上映されました。登場された方々が、みんなそれなりに若いお顔をしていました。
決意表明として石橋大吾理事が発表をしました。
特にアイドラゴン4を普及させることが一番であると強調していました。
閉会のごあいさつとして清田廣理事からお疲れ様という一言がありました。
第二部の祝賀会の準備のため20分ほどの休憩に入りました。
第二部の髙田英一氏塙保己一賞受賞記念祝賀会並びに
認定特定非営利活動法人障害者放送通信機構設立二十周年祝賀会は午後2時から始まりました。
開会のごあいさつは、石野富志三郎発起人代表がされました。
そして、塙保己一(はなわ ほきいち)賞の紹介を近藤幸一発起人がプリントを配布して説明してくれました。
少し長くなりますが、受賞の意味を考えるために説明します。
塙保己一は、幼くして失明したにもかかわらず、学問の世界に果敢に挑戦し、文化史上未曾有の文献集「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」を編集・出版した、江戸時代後期に活躍した大学者です。
ヘレン・ケラーも人生の目標としたと言われる埼玉県本庄市出身の塙保己一の精神を受け継ぎ、埼玉県では、2007(平成19)年度から、障害がありながらも不屈の努力を続け、社会的に顕著な活躍をしている方または、このような障害者のためにさまざまな貢献をしている方に「塙保己一賞」を贈り、障害のある子どもたちが「塙保己一」という先人のみならず、同じ障害のある方々の活躍を通じて、自分の将来の夢や希望を描くことができるチャンスにあふれる共生社会づくりを進めています。
塙保己一賞は、「大賞」、「奨励賞」、「貢献賞」の3賞があり、今回は第12回目となり、髙田英一氏が大賞を受賞しました。これまで大賞を受賞してきたのは視覚障害者でしたが、初めて髙田英一氏が聴覚障害者として受賞したとのことでした。
表彰式は、2018年12月15日(土)に埼玉県本庄市児玉文化会館セルディで行われ、上田清司埼玉県知事から表彰状をいただきました。
続いて乾杯の音頭を黒﨑信幸全国手話研修センター理事長から髙田氏の人柄に触れられて和やかに会が始まりました。
しばらく歓談した後に、来賓の挨拶がありました。
まずは西脇隆俊京都府知事の代理の鎌部正信健康福祉部障害者支援課精神・社会参加担当課長からありました。
次に門川大作京都市長の代理の大西則嘉障害保健福祉推進室社会参加推進課長からありました。
次に福山哲郎京都府身体障害者団体連合会会長から挨拶がありました。
一言だけ、情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法や手話言語法に触れられました。
次に田尻彰京都府視覚障害者協会会長から握手するだけで髙田さんと分かるとの挨拶がありました。
次は私の番かと思っていましたら、司会から「しばらく歓談をしてください」と言われちょっとガクッとなりました。
気を取り直して、挨拶をしました。1985年(昭和60年)に全日本ろうあ連盟と取り組んだアイラブ・コミュニケーション運動について話しました。当時の理事長は髙田英一さんでした。国民に手話通訳制度のことを理解してもらうため120万部を普及させることができたことはもの凄いことだとお話させていただきました。
次に小椋英子日本通訳士協会会長から、挨拶がありました。
特に髙田さんが書かれた手話に関する本を翻訳して海外に普及しないと髙田さん自身が願っているノーベル賞はもらえないのではと話されました。
最後に、黒川美富子文理閣代表から、小椋さんに、あらまし話そうと思っていたことを話されてしまったと正直にお話されました。
その後、大学からの同輩である松本晶行弁護士からメッセージをもらいました。
また、たくさんの祝電が届いておりました。
石野富志三郎発起人代表から、記念品の贈呈がありました。
これまで髙田氏を陰ながら支えてきた奥様に記念品は渡されました。
髙田英一氏本人から「生きている限り見果てぬ夢を追っていきたい」との謝辞がありました。
閉会のごあいさつとして、浅井ひとみ京都府聴覚障害者協会会長より「楽しくひとときを過ごせた」との挨拶がありました。
髙田英一ご夫妻と黒﨑信幸理事長に見送られ解散しました。
そのときにお土産として渡されたのが、身体障害者や知的障害者らが働く「さんさん山城」(京田辺市)が作成した「七味」と「紅白餅」、髙田さんの直筆のサインがあるメッセージを頂戴しました。
今回、多くの手話研修センターや関係機関の職員が手話通訳を担当してくれました。その中でも、久しぶりに小出新一常務理事の手話通訳ぶりを見ました。この機会ではないとめったに見られないシーンでしたので、会員の皆様には悪いのですが、参加できて本当に良かったと思いました。
(文・写真/全通研会長 渡辺正夫)
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