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2026年3月19日 (木)

◆手話関係者の健康フォーラム2025 in福岡

手話関係者の健康フォーラム2025 in福岡

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司会の伊藤委員(全通研・理事)

 

 「手話関係者の健康フォーラム2025 in福岡」を、215()、北九州市ウェルとばたで開催しました。毎年、手話関係者の健康を考える3団体委員会主催で開催しています。今年度は福岡で開催し、福岡を中心に九州ブロック、近畿ブロックから多くの方にご参加いただきました。(※3団体=全日本ろうあ連盟、日本手話通訳士協会、全通研)

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吉野委員長 (全日本ろうあ連盟・理事)

 

 まず、主催である手話関係者の健康を考える3団体委員会吉野委員長より、「この健康フォーラムを意義のある時間にしましょう」と挨拶がありました。その後、倉知延章先生(就労支援センターウィズダム理事長・九州産業大学名誉教授)に、「健康で楽しく働くために ~自分も相手も大切にするかかわり~」というテーマでご講演いただきました。

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倉知延章先生

 

 手話通訳は対人援助専門職であるということを再認識し、その専門性について改めて考えさせられる内容でした。

 世の中に対人援助専門職はいくつかありますが、ほとんどの場合は要援助者とプライベートでの関わりを持つことはなく、逆にそうなることを避けています。しかし手話通訳は特殊で、要援助者のきこえない人とは、プライベートな場面でも多くの関わりがあります。またその関わりが必要なことが多々あります。そのような環境下で、手話通訳者の仕事としてのきこえない人との関わり方はとても難しいと思います。

 

 具体的な例として挙げられた話の中に、手話通訳者がいないイベントに参加したきこえない人が一参加者である手話通訳者を見つけて「今、手話通訳して」とお願いされたらあなたはどうしますかという問いかけがありました。

 参加者からは「きこえない人が手話通訳をしてほしいと願うのは当然のことだ」、「手話通訳者なのだから手話通訳をするのが当然」、「たまたまそこにいただけで、勉強したいし、楽しみたいと思って参加している」という声がありました。どうすればいいのかと皆さん悩みますよね。おそらく多くの手話通訳者はきっと手話通訳をすることを選択するのではないかと思います。しかし、それでは参加者としての自分の楽しみを犠牲にしていることになります。手話通訳をしないことを選択したら、きこえない人の不満は大きくなり、今後の関係性にも影響が出てしまうかもしれません。しかしこの場合、手話通訳をしないという選択をする権利は手話通訳者側にあるのです。手話通訳者は、お願いされれば無理をしてでも引き受ける、断れないという性格の人が多いと思いますが、相手を大切にする対応や話し方、例え断るという判断をしたとしても、それができるようになることがお互いにとって健全な関係でいられるのだと思いました。

 

 そこで手話通訳者にとって大切なのが対人援助専門職であるという意識を持つことです。プライベートと手話通訳現場、きこえない人と手話通訳者、それぞれのバウンダリー(心理的境界線)をお互いにしっかりと考えていく必要があると感じました。さらに、手話通訳場面以外でのコミュニケーションスキルを高めていくこと、アサーティブ(自分も相手も大切にする)コミュニケーションが重要になります。アサーティブコミュニケーションは、自分の権利を守りつつ相手の権利を侵害しないコミュニケーション方法で、相手も自分も自己表現ができている状況、お互いを理解し合おうとすることでお互いが自分らしくいられて、尊重し合える関係になっていくというものです。アサーティブコミュニケーションの結果、相手と良い関係が築けて、不必要な不安や罪悪感を持つことがなくなり、自尊感情がもてるようになるということです。実際にこれから手話通訳者として、手話で話す人として、それを活かせたらとてもいいと思いました。とても難しいことですが、アサーティブコミュニケーションができるようにしていきたいと思います。

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グループワーク途中でストレッチ 

中島委員(全通研・理事)

 

 倉知先生のご講演後は、講演の感想を含めて「自分も相手も大切にできていますか?」というテーマでグループワークを行い、各グループ、自由活発な意見交換をしました。

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グループワーク後のまとめ

嶋本委員(全日本ろうあ連盟・理事)

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フォーラムのまとめ

鈴木委員(日本手話通訳士協会・代表理事)

  きこえない人と手話通訳関係者で受け取り方に多少の差があることを感じた講演でした。そしてその差こそ、これから私たちが埋めていかなければならない課題なのではないかとも思いました。共に歩んできたこれまでの歴史も大切にしつつ、職務としての手話通訳のあり方をきこえない人も手話通訳者もしっかりと考えて、これからも共に歩んでいきたいと思います。

文・写真:全通研理事 中島純子

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