障害者自立支援法違憲訴訟 基本合意15周年記念フォーラム
2025年6月2日(月)、東京都星稜会館に於いて障害者自立支援法違憲訴訟 基本合意15周年記念フォーラムが開催されました。会場には400人を超える人が参集し、オンラインからも430人程の参加もあり、大勢の人が参加しました。
厚生労働省と、こども家庭庁が後援しての開催となり、これまで積み重ねてきた成果が現れたフォーラムとなりました。通常は後援名義だけということが多いのですが、今回はあいさつだけでなく特別報告もあり、またパネルディスカッションでは担当課長より直接意見を聞ける場となりました。
フォーラムは13時から「基本合意の誕生と今日まで」と題しての上映から開始されました。主催者を代表して竹下義樹弁護団団長のあいさつがありました。また、後援挨拶として厚生労働省 吉田真次大臣政務官と、こども家庭庁友納理緒大臣政務官のあいさつがありました。連帯挨拶として全日本ろうあ連盟の石橋大吾理事長の代理として山根昭治理事から東京2025デフリンピックのことを含めた挨拶がありました。
13時30分からは基調報告「基本合意の持つ“力”」をテーマに、全国弁護団事務局長の藤岡毅弁護士からこれまでの活動の報告がありました。
次に特別報告として、
①厚生労働省 野村知司 社会・援護局障害保健福祉部長、
②こども家庭庁 源河真規子 長官官房審議官(支援局担当)、
③原告の思い
秋保喜美子さん、五十嵐良さん、山下裕幸さん、大江春樹さん、吉本裕子さん(原告 吉本春菜さん補佐人)の5人の方からそれぞれの思いを熱く語ってもらいました。
休憩後に「自己責任と家族依存からの脱却をめざして」と題してのパネルディスカッションが始まりました。コーディネーターは基本合意の完全実現をめざす会の藤井克徳世話人が務めました。
パネラーは、①中西美穂さん(こどもまんなか障害児福祉を望む親の会代表・NPO法人サードプレイス代表理事)、②船崎まみさん(元障害者自立支援法違憲訴訟弁護団員・江戸川区副区長)、③家平悟さん(障害者自立支援法意見訴訟原告)、④坂本千花さん(障害者自立支援法違憲訴訟弁護団)、⑤伊藤洋平さん(厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課長)、⑥小野雄大さん(こども家庭庁障害児支援課長)の6人が意見を述べました。また、フロアーからの指定発言者として佐々木桃子さん(全国手をつなぐ育成会連合会会長)、岡田久美実子さん(全国精神保健福祉会連合会理事長)の2人からの発言がありました。
16時30分に閉会のあいさつとして、佐藤聡さん(DPI日本会議事務局長)から最近の障害者に関わる方や動きについて話され、閉会が宣言されました。
このフォーラムに参加して感じたことは、まさに政権交代が実現して民主党政権時代に障がい者制度改革推進本部が立ち上がり、障がい者制度改革推進会議が設置されました。
当時としては画期的なこととして、①障害当事者が参画したこと、②会議を生中継したこと、③当事者が困らないように配慮して会議が進められたこと(手話通訳を付ける、テキストの資料、イエローカードや、資料にルビをつけるなど)が配慮された会議になりました。
また、基本合意を受けて障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会の骨格提言が出されたことはこれまでの障害者運動での成果が現れた象徴すべき事柄であったことを思い出しました。
(文・写真:全通研会長 渡辺正夫)
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