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2025年1月31日 (金)

石川支部訪問

 2025年123日(木)に全通研渡辺会長と一緒に石川支部を訪問しました。

 朝8時半ごろに富山駅で渡辺会長と合流し、富山駅北口近くの富山県聴覚障害者センターに行き、見学しました。

1_20250131161201 中橋施設長に案内してもらいました

 

 その後、石川県七尾市の和倉温泉街にある、JDF能登半島地震支援センターに行きました。

 例年ですと大寒の時期は積雪の影響で公共交通機関の乱れや、道路状況によって石川県までの移動時間が長いことも想定していたのですが、その心配をよそに3月中旬並みの気温となり、とてもスムーズな移動でした。

2_20250131161201JDF能登半島地震支援センター

3_20250131161201内田様にご挨拶

 滋賀県から来ておられる能登半島地震支援センターの現在の責任者である内田様にお会いしました。渡辺会長から全通研から現地支援センターへのスタッフ派遣に取り組めていないことのお詫びや、能登就労支援事業所「やなぎだハウス」への支援のお礼などを伝え、心ばかりの差し入れをしました。

 その後、七尾駅前にぎわい館(パトリア)に移動し昼食を取りました。

 パトリアの3階では、七尾市役所健康福祉部や七尾市社会福祉協議会が業務を行っていて、能登半島地震の総合支援窓口もあり、通路には激励の寄せ書きが多く掲示されていました。

4_20250131161201総合支援窓口と寄せ書き

5_20250131161201七尾市役所 健康福祉部

 午後は渡辺会長と石川支部会員との懇談会を行いました。

 能登半島地震発災からこれまでの経過の中で、必要な支援や現在の活動状況についてなど、多くの意見や感想などを聞かせていただきました。

6_20250131161201石川支部・西支部長から歓迎の挨拶

7_20250131161201渡辺会長から激励の挨拶

 印象に残ったのは、ニーズは日々変化していくため必要な支援をタイミングよくすることが重要というお話です。タイミングよく支援をするためには情報の発信や安否確認などのシステムづくりなども大切ですし、日頃の行政との関係性や防災訓練の内容などがポイントだと感じました。

 また、自分よりひどい状況にある人もいるからといった遠慮や、避難所がだんだん殺伐としてくるといったような気持ちの変化の話もあり、災害が人の心に与える影響は非常に大きいと感じました。

 お土産に持っていったお菓子とほうじ茶で、ざっくばらんに話を聞かせていただき、これからも寄り添っていきたいと思いました。

8_20250131161201参加者で集合写真

9_20250131161201帰り道には「能登復興」の看板が

 お茶やお菓子で状況が変わるわけではありませんが、話をすることで気持ちが少しでも軽くなっていればありがたいです。

お聞きした内容は、今後の全通研活動に反映していきます。

 

                  (文・写真:全通研理事 新船洋平)

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渡辺会長~石川県の旅だより~

渡辺会長~石川県の旅だより~

 

 能登半島地震発生後、はじめて能登町に行きました。1月の中旬まで北陸地方に大雪の予報が出ていました。私は千葉っ子で雪の経験はなく、寒さに弱い人間です。そのため、手袋、マフラーを用意し、厚着をして出かけました。

 しかし、1月23日からの3日間、手袋やマフラーは要らないくらい良い天気に恵まれました。

 23日は七尾市駅近くのビルの3階で、石川県支部の会費免除の会員さんと交流会をしました。会場に入る前に靴がパカパカしはじめました。雪対策としてスノーブーツを履いてきたのですが、しばらくぶりだったので大丈夫かなと心配をしていたところでした。案の定、靴底が半分ほどはがれてしまいました。懇談会の後に1階に量販店があったので応急措置として靴用接着剤を買い求め、すぐに塗りました。何とかくっついてくれて、安心しました。

 24日は、やなぎだハウスを訪問したあと、昼食に行きました。ご当地ラーメンで有名な「8番らーめん」のお店に入り、私は中華麺を食べました。有名なだけあってとても美味しかったです。

1_20250131154901

 

 25日は大好きな散歩に出かけました。

 金沢は3回ほど来たことがありますが、久しぶりなこともあり、有名どころを歩きました。

 最初は近江市場です。たくさんの観光客がいて新鮮な魚などを買い求めていました。私はただ見て回っただけですが、市場の雰囲気を感じることができました。

2_20250131154901 【近江町市場】

 その後、金沢城公園の玉泉院丸庭園に行きました。手入れが行き届いていてとても清々しさを感じました。今回は金沢城まではいきませんでした。

3_20250131154901 【玉泉院丸庭園】

 次に真弓坂口から兼六園に入りました。65歳以上は入園料が無料でした。最近、歳を取って得することを感じるのはこの入園料が無料となることです。

 唐崎松の雪吊り、明治紀念之標、琴柱(ことじ)に似ている灯籠、七福神山などを見て回りました。

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    【唐崎松】           【明治紀念之標】

6_20250131154901 7_20250131154901

    【灯籠】             【七福神山】

 コロナ禍で2020年夏の石川集会が中止になりましたが、その時だったと思います。門倉さんに「21世紀美術館はぜひ見てほしい」と言われたことを思い出して、美術館に行きました。1階建ての建物でした。特別展として「すべてのものとダンスを踊って 共感のエコロジー」が展示されていました。

 私が一番気になったのは、金沢市内の大きなケヤキの木に取り付けたセンサーが生体信号をリアルタイムに感知して光の変化として表現されていたものです。

8_20250131154901 9_20250131154901

   【21世紀美術館】          【光の変化】

 その後、鈴木大拙館(すずきだいせつかん)に行きたかったのですが、時間が無くなってしまい残念でしたが金沢駅に戻ることにしました。次回の楽しみにとっておくことにします。

 この鈴木大拙は金沢が生んだ仏教哲学者で、鈴木大拙の考えや足跡を来館者自らが体験できるところだと聞いています。

 金沢駅に戻る途中、前田利家公と正室お松の方を祀る尾山神社の神門が見えました。ちょっと変わった洋風の建物でした。

10_20250131154901 11_20250131154901

   【尾山神社】             【神門】

 金沢駅に戻り、石川県を応援するためお土産を買いました。また、お昼のお弁当も買いました。石川県産の松花堂弁当です。石川県オリジナル米品種「ひゃくまん穀」を使用したもので、これもとても美味しかったです。

12_20250131154901 13_20250131154901

    【金沢駅構内】          【松花堂弁当】

 

 被災された方が一日でも早く、日常生活を取り戻せることを祈るばかりです。

 

                 (文・写真:全通研会長 渡辺正夫)

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石川県訪問

1月24日 石川県訪問

 朝8時に宿泊先のホテル・トリフィートに、石川県聴覚障害者センターの藤平淳一施設長が車で迎えに来てくれました。聴覚障害者災害救援中央本部の石橋大吾運営委員長と合流するため、のと里山空港に向かいました。のと里山海道という自動車専用道路(高速道路の4車線が地震で2車線の対面通行になっていました)を通って行きました。道路は穴水あたりになるとがけ崩れなどで崩壊しており、対面通行で開通していましたが、かなり揺れました。

 金沢駅近くのホテルから3時間ほどかかって、やなぎだハウスに到着しました。

1_20250131152801金沢駅前】

2_20250131152701 3_20250131152701

  【道路が陥没・寸断】         【やなぎだハウス】

 

 やなぎだハウスでは、職員が出迎えてくれました。施設では、利用者が切れ端を利用して草履を作っていました。その作業場のすぐ隣のガレージにも行きました。元は消防車の車庫で、シャッターも頑丈で重そうでした。天井の横に穴があり、塞がれていましたが風が入ってきて寒かったです。ガレージの奥にはコキア(ホウキギ)が干されていて、箒などを作っていると聞きました。

 その日は午後からお餅つきをすることになっていました。そのお手伝いにチームジャパン(被災地支援チーム)から4人が来てくださっていました。他にも日本障害フォーラム(JDF)も送迎などの支援に来てくれています。

 第1回目の修繕で壁や天井などを直し、作業ができるようになりました。しかし、9月の豪雨でハウスの近くの川が氾濫してガレージに泥が溜まってしまいました。入口のドアすれすれまで泥水が流れてきたとのことでした。ボランティアの方々が泥を取り除いてくれました。新船理事も手伝いに来たとのことでした。

 そして、2回目の修繕でガレージ内に部屋を作り、エアコンを設置することになり、工事会社の人と打ち合わせをしました。

 コキアをネズミに食べられないように干す場所を部屋の周りに設置することになり、見積もりを再提出してもらうことになりました。

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   【ガレージ入口】            【ガレージ内】

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   【コキア】            【2階事務所内】

 

 やなぎだハウスに隣接されているモバイルハウスでは4人の聴覚障害者が暮らしています。ご好意で中を見せていただくことができました。こじんまりしておりましたがお風呂場やトイレなどがコンパクトに配置されていました。利用者は新しい電化製品の使い方がわからず「一つひとつやり方を教えてやっと使えるようになった」と報告がありました。

 やなぎだハウスの佐藤香苗所長に会ってお話を聞きました。「被災後しばらくは気持ちも落ち着かず、事業所の運営について他からの支援を受けたいと思うことができなかったが、最近は気持ちの整理もでき支援団体から支援をしてもらって助かっていると思えるようになりました」と話してくださいました。とにかく明るい顔で接してくださったので安心しました。

 職員は、現在3人ですが3月までで1人退職が決まっています。その補充として2月から1人入ることが決まり、ホッとしているとのこと。そして、もう1人職員を増やして以前のように4人体制にしていくとのことでした。

8_20250131152701 9_20250131152701

   【モバイルハウス】        【佐藤所長といっしょに】

 

 午後3時から、石川県聴覚障害者センターの多目的室で、石川県聴覚障害者災害救援対策本部5人のメンバーと聴覚障害者災害救援対策中央本部5人との意見交換会があるので、急いで金沢市に戻りました。

 議題は、やなぎだハウスについて(ガレージを区切って部屋を設置することや職員の状況)、災害救援基金、報告書の作成についてでした。

10_20250131152701 11_20250131152701

  【石川県聴覚障害者センター】        【意見交換会】  

12_20250131152701【3人ではじめて撮影】

 

 意見交換会のあと午後6時から交流会をしました。中央本部事務局の2人が途中で退席しましたが、そのあとに突然、門倉さんが顔を出してくれました。門倉さんは、白山市からの派遣で東京デフリンピックの仕事をされています。この場で会うことはないと思っていたので、大変びっくりしました。

 災害救援基金で集まった資金でやなぎだハウスの修繕ができ、何とか利用者が困らないよう支援ができています。皆さんのご支援のお陰で実現できました。まだまだ、能登の皆さんが通常の生活に戻るには相当な時間がかかります。引き続きご支援をお願いいたします。

 

                (文・写真:全通研会長 渡辺正夫)

 

 

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2025年1月24日 (金)

WEB学習会「改正障害者差別解消法を考えよう」

WEB学習会「改正障害者差別解消法を考えよう」

 2025年111日(土)午前10時から正午まで。WEB学習会「改正差別解消法を考えよう」のテーマで、全通研大阪支部 井澤 昭夫支部長をお招きし、Zoomにてご講義とグループディスカッションを行いました。当日の参加者は56人(委員を含める)でしたが、事前のお申し込みは80人近かったので、関心の高い内容だったのだなと感じました。

1_20250124143501 【開催挨拶】渡部芳博委員長(自治体業務・政策研究委員会)

 障害者差別解消法は、20215月に改正され、同改正法は20244月より施行されました。障害を理由とした差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供は、行政のみでなく、民間事業所にも義務化されたことで、どのような変化や問題点が浮き彫りになっているかを、井澤さんから具体的に実例を挙げられました。まず、この法律は「障害者自身が、手話通訳を求めるなどの具体的な配慮の要求をしない自発的にしない限り、行政や事業者は配慮をしなくてよいということなっている」となっています。これでは、事業者側の意識の差でできないと言われたり、配慮が行き届かなくなります。また、合理的配慮をする場合、過重な負担…つまり費用ががかかることを理由に、実際には配慮が行われないということでした。

2_20250124143501【講師】井澤昭夫 支部長(全通研大阪支部)

 事業所に合理的配慮を求めたが、できないと言われてしまった場合に、法律の中に代替手段が明記されていないため、各自治体(設置手話通訳者等の行政職員)の判断で対応することになり、あの市では対応できるが、この市では対応していないと、同じ制度なのに一貫性に欠けた事態となっているとのことでした。

また、手話通訳者の派遣に関する要綱についても問題点が挙げられました。派遣要綱は自治体によって異なっていること、解釈を曖昧にしている部分があることから、手話通訳者等が必要な場面で「派遣ができない」と言われるケースが出てきているようです。

さらに、専任・設置手話通訳者を派遣するという考えも地域によって対応が異なり、実際の業務において困難を引き起こす原因にもなっている、と懸念されていました。

いくつか、具体的な事例を紹介いただきました。①税務署に出向く手話通訳派遣申請を自治体が一旦保留にして、「自分で税務署に依頼しなさい」と当事者に要求しました。この事案は、税務署が自治体に手話通訳者の依頼をするという対応で処置されました。②ある自治体の差別解消法の案内チラシには、市が派遣できない場合は県の手話通訳を頼んでくださいと記載されており、市が意思疎通支援事業を運営しているという役割が不明確になっているということ。③高齢のろう者が市役所に代理電話を依頼した際、設置手話通訳者は「代理電話はもうできない。公共インフラの電話リレーサービスを利用してください」と言ったという話。便利に使える人ばかりでない障害者がいること、実際に登録もしていない、おそらく一人では利用できないであろう、ろう高齢者に対しての代替手段が十分に用意されていなかったという内容で、情報提供施設が代理電話をしたということでした。

今後の課題という話の中で井澤さんからは、「差別解消法の光と影」というお言葉がありました。光とは合理的配慮の提供。本来私たちは聞こえない人の情報保障と生活しやすい環境をつくっていくためにと業務遂行しているはずなのに、それを狭める判断や行為に加担していることがあり、それが影であると言われていました。

 

 参加された皆さんは、共感されたり、身につまされたりするような内容があったのではないでしょうか。いろいろな葛藤があって活動しているが、それを含めて生きがいと捉えて活動を続けてほしいという言葉でお話しを締めくくられました。井澤さんからの多岐にわたる事例やご提案を日々の業務や活動に活かしていきたいですね。また、我々自治体業務・政策研究委員会や全通研本部には、こんなことを調査・情報収集をしてはどうかと、たくさんの宿題が出されたように感じました。2時間という短い時間ではありましたが、グループでの意見交換もしていただき、知識が深められたと感じてくださっていたら、スタッフ一同嬉しく思います。

3_20250124143501 【司会・進行】中島みゆき 理事

 次回の学習会にはぜひ、日頃このような学習会に参加されないお仲間を誘ってみてください。できれば対面で、たくさんの会員の皆さんともっともっと共に学んでいきたいです!

4_20250124143501 5_20250124143501

      【参加者の集合写真】

 

※講演資料について、お詫びと訂正です。

「2 解消法の問題点①②②」となっていますが、「①②③」に修正してください。

 よろしくお願いいたします。

 

                  報告者:阿部恵子(全通研 自治体業務・政策研究委員会)

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2025年1月17日 (金)

日本障害者協議会(JD)ニューイヤー交流会2025

  日本障害者協議会(JD)ニューイヤー交流会2025

 

 2025年114日(火)18時から戸山サンライズ2階の大研修室で開かれた「JDニューイヤー交流会2025」に参加しました。

 司会は、石渡和実副代表です。声がはっきりしていてとても聴きやすいです。

1_20250117165301 石渡和実副代表

 

 開会あいさつとスライド上映は、薗部英夫副代表からありました。スライド上映は、昨年1年間のJDの活動報告でした。

 7月の優生保護法最高裁判決や憲法記念日に際して「憲法と障害者2024」が112日にハイブリッド型式で開催されたことなどの報告がありました。

 また、能登半島地震から1年経つが未だに避難生活をされている方が多くいること。そして、支援を続けていかなければならないと話されました。

2_20250117165301 薗部英夫副代表

 

新春文化企画として、さざゑ(秦なおき)さんによる「落語」が披露されました。会場は笑いで沸き、楽しい雰囲気に包まれスタートしました。

3_20250117165301 さざゑさん

 

 乾杯の音頭は、きょうされん理事長の斎藤なをこさんが務めました。

4_20250117165301 斎藤なをこさん

 

 歓談の中、参加団体の紹介スピーチがありました。

5_20250117165301 歓談の様子

 

 私は2つ話をさせていただきました。1つ目は、昨年全通研が創立50周年を迎え、10月に神戸で記念式典と祝賀会を開催したこと。

2つ目はデフリンピックが東京で202511月に開催されることです。

 

 団体の紹介の途中で、福島みずほ参議院議員の来賓あいさつがありました。

6_20250117165301 福島みずほ参議院議員

 

 閉会のあいさつでは、「聞いてためになる閉会のあいさつ」と言って藤井克徳代表から参加者へあいさつと恒例のなぞかけがありました。

7_20250117165301 藤井克徳代表

JDと金の延べ棒とかけて、猫と犬ととく。

 そのこころは、「にぃやわん」(大きな拍手)

JDの事務所とかけて、真夏の着ぐるみととく。

 そのこころは、「つい顔を出したくなる」(大きな笑い)

JDの活動とトランプとかけて、高速道路と一般道路ととく。

 そのこころは、「交わることがない」(大きな笑い)

JDのニューイヤーの集いとかけて、お気に入りのセーターととく。

 そのこころは、「また、きたくなる」(大きな拍手)

 

 藤井代表の閉会のあいさつには、いつもながらわくわくするような言葉がたくさんあります。関係団体のみなさんと一緒に、今年も一年頑張りたいと思います。

 

               (文と写真:全通研会長 渡辺正夫)

 

 

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