第1回全通研Webアカデミー
9月7日(土)13:30~16:00 第1回全通研Webアカデミーがオンラインで開催されました。全国から289名の申し込みがあり、個人視聴、集団視聴と画面いっぱいになりました。司会は全通研 研究・活動推進部の間舩博(まふね・ひろし)次長です。
前半は、優生保護法被害全国弁護団の新里宏二(にいさと・こうじ)先生から、優生保護法被害の裁判についてこれまでの流れや、判決の意義、今後の被害者救済のための新法の取り組みなどを、詳しく説明していただきました。
私は、勉強不足で正直この法律も簡単にしか聞いたことがありませんでした。戦後のベビーブームで子供が増えすぎることに政府が、中絶を認めたというくらいでした。
今回のお話の中に、嘘をついても、どんな方法でも、断種手術や中絶をさせても認められるという事を聞き、本当にショックでした。裁判での感情あふれる新里先生の発言や行動に、これまでの活動の苦しみを感じました。1人の被害者が声を上げることが社会を変えるのだと感動しました。
新里先生は1983年に仙台で弁護士になられた年から、主に多重債務者問題、消費者問題に取り組んでこられた先生です。本当に苦しんでいる人の為に、活動してこられたのだと感じました。新聞記事は、2019年5月28日の仙台判決にて、旧優生保護法を違憲としながら、賠償を認めなかった国に対して、厳しい顔の新里先生の写真が使われています。
最後に2022年に出版された新里先生の本が紹介されました。この中に新里先生の活動が載っているので、ぜひ読んでみたいと思います。
休憩明けには恒例のストレッチをして頭と身体をほぐしました。
後半、40分は、今年5月29日に最高裁判所大法廷での弁論と7月の判決言い渡しの際に原告の手話通訳を担当された、米野規子(こめの・のりこ)事務局長が、これまでの地元の原告の方との取り組みや当日の経験などをお話しされました。
優生保護法被害の対象がいるのではないかと、全日本ろうあ連盟の調査が行われ、明石市に対象になる方がいると分かった時に、「個人の問題ではない、市で取り組む」とし、明石市では条例までできたことに驚きました。ご夫婦で挑まれていた裁判ですが、奥様が亡くなられ一人でこの5月29日に参加されたと聞いた時は、本当につらくなりました。この方のお話は、研究誌の168号にも載っています。
法廷での手話通訳の様子も図で説明してもらい、前にずらりと並ぶ15名の裁判官の様子と、多くの聴覚障害者が傍聴に来られている状況など、聞いただけで緊張しました。この様な貴重な体験を伺っているうちに、あっという間に2時間半が過ぎました。
最後に米野事務局長から優生保護法に関する全通研の取り組みの紹介があり、「聞こえない人の暮らしから学ぶ」という全通研の大事な視点を改めて確認し、実りある学習会となりました。
(文:全通研 研究・活動推進部 福田八重子)
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