「WASLIアジア手話通訳者会議2024」その2
◇WASLIアジア手話通訳者会議2024に参加しました
2024年8月15日(木)~18日(日)の4日間、第36回WFD(世界ろう連盟)アジア地域事務局代表者会議がインドネシアのジョグジャカルタで開催されています。この会議に並行して、WASLI(世界手話通訳者協会)アジア手話通訳者会議も同じ会場(Santika Premiereホテル)内で今日8月16(金)と明日17日(土)の2日間開催されます。私は日本からZoomでWASLIアジア手話通訳者会議に参加しています。参加者は16の国と地域から47名(東アジア地域:韓国・香港・日本・台湾・中国・マカオ、ASEAN地域:マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピン・ベトナム・タイ、西アジア地域:インド・ネパール・スリランカ・モルディブ)とWASLIアジア地域代表理事である全通研の宮澤副会長より発表されました。
WASLIアジア手話通訳者会議は予定通り現地時間午前9時(日本時間11時)に始まりました。会議は国際手話で進められます。英語の音声言語通訳もなく(あっても私の情報量は変わりませんが)、ほとんど分からない国際手話を必死で見続けました。
WASLIクリストファー会長のメッセージ動画が流された後、午前のセッションが始まりました。テーマはWFD/WASLI認定国際手話通訳者について、講師はろう国際手話通訳者でありWASLI初代副会長であったドゥルエッタ氏(真夜中のアルゼンチンからZoomで講演)です。WASLIが2007年のスペイン世界会議で発表したWFDとの共同声明には、国際手話通訳について協働することが述べられています。世界、地域、各国のレベルで、ろうあ者団体と手話通訳者団体が協力、連携して、ろう通訳者と聞こえる通訳者が対等に認められるよう認定制度の実現に向けて取り組むこと、またその際、各国手話や文化的背景などを尊重することが重要だというお話が印象的でした。
1時間半のランチ休憩を挟んで、午後のセッションは14時(日本時間16時)に再開です。各国の手話通訳者養成・認定制度と手話通訳者の社会的地位について、フィリピン(PNASLI)、日本(日本手話通訳士協会)、韓国(KASLI)から発表がありました。フィリピンの手話法や大学の養成課程、韓国のろう通訳者認定や24時間体制の手話通訳センターなど、状況が異なるためそのまま取り入れることはできないと思われますが、各国で進む取り組みに驚かされました。手話通訳士協会からは日本の養成カリキュラムについてと、手話通訳者の高齢化という課題などが報告されました。参加者からは自国での参考にと質問が相次ぎ、多くの情報が共有されました。WASLIアジア手話通訳者会議の1日目は16時40分(日本時間18時40分)に終了しました。
今日一日参加して、まったく音声情報がなかったので、かえって国際手話に集中することができたように感じました。休憩時の会話や交流イベントなど、現地で参加する意義は大きいですが、移動時間や台風など気象の影響を受けないZoomでの会議参加にも意味があると思います。明日も瞬き少な目で一日頑張りたいと思います。
(文・情報広報部 国際担当 長崎千佳恵)
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