2024年WASLI総会報告
2024年WASLI総会報告
WASLI(世界手話通訳者協会)をご存じですか?
全通研はWASLIの国会員です。WASLIでは4年ごとに開催される世界会議に合わせて総会を開いてきましたが、近年、新型コロナウイルス感染症の副産物としてオンライン会議が普及したことにより、オンラインで毎年総会を開催することになりました。昨年7月に韓国済州島で世界会議が開催されたときは、現地集合とオンラインの併用による総会が開催されました。その後11月には定款変更の審議のため、オンラインによる臨時総会が開催されました。
今年は、6月22日(土)20:00~22:00(日本時間)に定時総会が開催されました。ZOOMに接続していたのは、理事やテクニカルチーム、国会員代表やオブザーバーを合わせて73名でした。WASLI会長のクリストファー・ストーン氏の進行により、まず、参加者の確認が行われました。昨年11月の臨時総会に参加した国会員は39協会でしたが、今回は28協会でした。国会員は1票ずつ投票権を持ちますが、そのためには会費を納入していることが条件となります。WASLIの会計年度は1月1日~12月31日ですが、まだ2024年の会費を納入していない協会があったのかもしれません。
2024年WASLI総会 ZOOM画面 左:クリストファー・ストーン会長
総会の議案は、事前に送信されていました。今回の議題は、理事会やワーキンググループ等の活動報告の承認、財政報告の承認、新規国会員の承認などです。今回提案された議案に「WASLI監査役の設置」がありました。この議案は承認され、9月までに候補者をあげることになりました。また、会費区分改定の提案がありました。WASLIの会費は、GDPランクにより5つに区分されています。この区分はWASLI設立時の2005年のもので、近年GDPランクに変化がみられることから会費区分見直しの提案がありました。会費区分については、2024年中に検討し、2025年総会にて審議されることになります。現在、日本は上から2番目の区分に属しており、年125米ドル(≒19,785円)支払っています。総会の審議は、WASLI執行部の説明のあと、Googleフォームを使用して「賛成・反対・保留」を投票する方法で進められます。今回の議案はすべて可決されました。
WASLIの公用語は、国際手話と英語とスペイン語です。進行役のクリストファー会長は国際手話で話し、WASLIの通訳チームが英語とスペイン語に通訳します。最近のZOOMは通訳機能が向上し、英語を日本語字幕で表示することができます。しかし、ZOOMに内蔵されている翻訳ソフトの性能がそれほど高くないのか、とんでもない日本語に翻訳されることが少なくありませんでした。「Treasurer Report(会計担当者報告)」が「宝物報告」と表示されたりして、パソコンを前にして爆笑してしまいました。音声認識と翻訳を合わせるのは大変なのかなぁと思いながら、国際手話と日本語字幕を見比べていました。
8月には、インドネシアでWASLIアジア会議が開かれます。そちらのレポートもお届けできるよう頑張ります。お楽しみに!
副会長 宮澤典子
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