第9回N-Action合宿in京都
2023年度 第9回N-Action合宿in京都
日時 2024年2月17日(土)~18(日)
場所 ひと・まち交流館京都(京都市)
参加数 38名(N-Action委員、担当理事含む)
2023年度のN-Action合宿は、京都市「ひと・まち交流館京都」において開催しました。4年ぶりの顔を合わせての合宿でした。京都支部にご協力いただき、企画運営の準備を進めました。
受付も、以前のやり方を思い出しながら準備しました。
1日目 開会式
司会の吉室委員より趣旨説明、スケジュール、諸注意の説明を行いました。
小野尾一秀委員長より「久しぶりに集合し、こうして顔を合わせた合宿が開催できてうれしい。議論を深められる2日間にしたい」と、挨拶がありました。
荻島洋子組織部長より「N-Action委員会は組織部付きで、共に活動しています。こうして、皆さんとお会いし、懐かしい顔ぶれや、新しい仲間との出会いがありました。ご参加の皆さんのご協力により、こうして対面で開催できたことに対し感謝します」と、挨拶がありました。
N-Action委員会活動報告
小野尾委員長からN-Action活動報告がありました。委員会のメンバー紹介、活動について説明、徳島集会での「つどい」などの事業報告、、全国のN-Actionの状況などがありました。最後に、各事業にご参加者の皆さんのご協力によって行事ができ、感謝します」と、締めくくられました。
企画①
ここ京都は手話サークル発祥の地であり、また全通研事務所がある、まさに手話に関する先駆けの地です。京都支部長で、手話サークル「みみずく」創生時期から活動されている持田隆彦さんを講師にお迎えしました。
テーマ 「京都の全通研の歴史」
講師 持田隆彦氏(全通研京都支部 支部長)
持田さんのお話から、昭和40年代は、障害者はまだまだ苦しい現状におかれていた。差別が普通にあったこと(オンパレードだったと表現)。大会や集会へ向かうにも経済的・時間的に厳しい現状だったが、それでも手話の仲間からの支援を受けて参加し、全国の仲間と出会った。とにかくこの時代は我慢を強いられる時代だったと振り返り、現代社会では考えられないさまざまなことを話されました。また、これからを担うN-Action世代に向け、共にあゆむこととは何なのか。「みみずく」が掲げる良き友であるよう、これからの活動に期待するとエールをいただきました。
持田さんの気迫溢れるお話に参加者は真剣に聞き入っていました。講演時間は少し超過となりましたが、激動の時代を過ごされた大変貴重なお話をしていただきました。
昭和40年 京都府立ろう学校の生徒が授業拒否をした際に配ったビラ
討議①
講演後、グループに分かれ討議を行いました。持田さんの講演を受け、どのように感じ、これからの活動にどう活かしていきたいかを話し合いました。持田さんにも討議に参加してもらい、参加者からの質問に対し丁寧に答えていただきました。各グループを紹介します。
1日目の終了時に、講師の持田さんと記念撮影をしました。
夕食交流会
4年ぶりの交流会です。京都支部の協力で会場を確保していただき、膝を突き合わせた交流ができました。また初めての参加者もあり、自己紹介で仲間のつながりが持て、N-Actionのネットワークの拡がりとなったのではないでしょうか。
2日目 企画②
2日目の最初は地域からの報告です。参加全員が1度は発言してほしいと考え、全員に地域の様子や活動状況について報告しました。N-Action班立ち上げについて、地域ろう協青年部との関わりなど、それぞれの想いや支部活動について発表がありました。
【報告内容の抜粋】
・既存の行事に乗っかり若い世代にアプローチをかけてる
・手話カフェを行っている。また、ろう協青年部と一緒に活動、仲間づくりをしている
・N-Actionを年代で区切り、役割分担して、活動をしている
・N-Action活動と、子育ての両立について考えていく企画
・N-Actionメンバーが支部運営委員になった
・手話通訳技術について取り組んでいる(学習会)
・全青研を控え、ろう協青年部と合同企画
討議②
1日目の講演、地域からの報告を受けてグループ討議を実施しました。より深めた討議を行い、それぞれのグループから発表しました。
Aグループ 通研への入りずらさがある。聞こえない人への差別がまだある。団結が力になる。場作りすることでつながり、「人、金、場」と動きだせば何かが変わる
Bグループ みんなで集まるきっかけ作りが必要。集まるなら中心メンバーに若手が参加することが大事。目的を明確化させる必要
Cグループ 未会員に向けての仲間づくり、居場所づくり。福井ドライブ(N-Action、ろう協青年部、お試し期間)。組織立ち上げ時に関連団体へ周知し認知してもらう活動をする。認知してもらい公式な組織として理解してもらい活動しやすい環境になる。活動のモチベーションをどう維持させるか。県境を越えての活動も必要。この課題をクリアすることでろう者のより良い暮らしにつながる。
Dグループ つながりをどう作るか。ろう者、大学、青年部など。ツイッターのつながりから大学との交流へと結びついた事例あり。
Eグループ やりっぱなしにしない。必ず全員参集でなく、来れる人だけでも活動する。無理をしないことが大事。情報共有をするように心がけている。この情報共有が大事。
Fグループ 自分たちは手話を無料で教わっているが、ブラジルでは言語は有料で教わることが普通であり、日本の現状に驚く。ブラジルでは2002年に手話が言語として認定される。ブラジル手話はポルトガル語とリンクさせながらの表現ではなく、単独の文法があり、自分自身での十分な振り返りが必要になる。
討議③(全体討議)
最後は全体討議です。参加者全員が1つの輪になり5つのテーマについて、自由に発言して、全体で討議を行いました。京都支部の皆さんがテーマごとに司会を担い、進行してくださいました。
閉会式
最後にまとめと総評を行い閉会しました。
「合宿のまとめ」として小野尾委員長より挨拶があり「4年ぶりの開催で、夜の交流会では久しぶりのメンバー、初参加のメンバーと交流が図れ、グループ討議では深く議論できたのではないか」と感想を述べました。また、持田さんの講演から、差別の無い社会へ、そしてこのN-Action委員会がより発展して、良い活動へ向かうことを期待したいと結びました。
「総評」として、荻島組織部長より「組織部はN-Action世代の声を全通研に届ける役目がある。その声をしっかり受け止め、想いを伝え、実現できるよう協力していきたい」と、まとめの言葉と締めの挨拶がありました。
最後に!
組織部の理事として、わたくし間舩は初めてN-Action合宿に参加させていただきました。率直に感じたこととして、参加された皆さんの考え、想いがとてもすばらしいと感じました。これを自分自身にあてはめ振り返ると、同じ世代だった頃に、このような想いや考えを持っていたのか?と言えば、無かったであろうと思います。また初めて参加された方も、興味があって参加されたり、誘われたから参加したと聞きましたが、でも根本は手話が好きで、ろう者との出会いの中で、いろいろな疑問や社会の矛盾など、個人個人が感じる何かを感じとって、そしてこの合宿へつながったのだと思います。これも巡り合わせですね。
私自身にとってもの刺激のある合宿でした。1日目の持田さんの講演も、あのように「生き証人」からの言葉は心に響きます。この事実をきちんと受け止め、理解し、すべての人が幸せになる、暮らしの向上につながる運動が大切だと感じました。最後にN-Action委員の皆さん、京都支部の4名(吉田明代さん、加藤佳奈さん、栗田一歩さん、古賀舞子さん)には大変お世話になりました。そしてありがとう!(^‗^)v
2024年度N-Action合宿は鳥取県で開催します。またお会いしましょう!
(文・写真/全通研組織部 間舩博)
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