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2024年3月26日 (火)

「優生保護法問題の政治的早期・全面解決を求める3.21院内集会」

 2024年3月21日(木・祝)は、111日(水)に続き開催された「最高裁判決を待つまでもない!優生保護法問題の政治的早期・全面解決を求める3・21院内集会」に参加しました。

 風が強い一日でしたが、よく晴れていました。国会議事堂を見て衆議院第一議員会館に入りました。会場は地下1階の大会議室でした。

1_20240326172401国会議事堂    2_20240326172401 衆議院第一議員会館

 

 会場に入るとすぐに目立ったのが、大きな看板でした。

3_20240326172401 4_20240326172401

 

 12時から院内集会が始まりました。会場は多くの人で埋め尽くされました。

5_20240326172401 大勢の参加者で会場はいっぱいです

 

 司会は、前半担当の池澤さん(優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会、以下「優生連」)と後半を担当する関谷さん(東京弁護士会)のお二人でした。

 はじめに残念ながら亡くなられた熊本原告の渡邊數美(かずみ)さんを偲んで、テレビで取り上げられた映像のビデオ放映がありました。

6_20240326172401 故渡邊數美さん

 続いて、たくさんの国会議員に出席いただきました。その都度、参加された議員からメッセージをもらいました。

 多くの議員が話されていたのは、「救済法は議員立法であることに議員として責任があると考えている。また、この法律に基づく一時金の請求期限がこの4月23日に迫っている。衆議院ではこの期限の5年間の延長が可決した。参議院でも、この国会で成立をさせていくことが必要」と訴えていました。

 議員の前でアピール文が読み上げられました。読み上げたのは北三郎さん(仮名)(東京地裁・東京高裁・最高裁)です。そのアピール文を国会議員に手渡しました。

7_20240326172401 アピール文の手交

 「最高裁でのたたかいと今後の運動について」と題して新里宏二弁護士から話しがありました。

 2013年8月に飯塚さんから相談があって始めた取り組みである。原告第1号の佐藤さんと闘いを始めた。飯塚さん、佐藤さんに続いて全国に広がった。39人の原告がいます。その中の一人であった渡邊數美さんは、313日の福岡高裁の判決を待たずに亡くなってしまった。本人が一番悔しかったのではないか。

 裁判をはじめた当初、裁判は負け続けました。仙台高裁では、賠償を求められる20年の除斥期間が過ぎたと負けてしまいました。負けるのですが多くの判決が「これは酷い人権侵害だ。憲法に違反する」と違憲判決が出ました。その積み上げで大阪高裁、東京高裁で勝訴の判決が出ました。

 最高裁に署名をした111日に大法廷回付されることが決まりました。15人の裁判官で判断をすることになる。違憲の判断をするかどうか、これまでの最高裁の判例を変えるかどうかが問われる。

 仙台の2人だけ裁判に負けている。しかし、この2人の動きがなければ今の状態にはならなかった。こんな馬鹿なことがあるのか。5月29日に最高裁で当事者の意見を聞く弁論がある。当事者の声を届けることにより、きっと最高裁は私たちが求める判断をしてくれるものと思う。そして、内閣総理大臣が謝罪をすることを勝ち取っていく。

 優生思想が蔓延している日本の中で、優生思想を打破するために、今日は、こんなに多くの人が集まってくれました。「今まさに解決するときだ」という皆さんの声を最高裁に訴え、そして国会に伝えていきたいと思います。

8_20240326172401 新里弁護士

 次に「最高裁判決を待つまでもない!早期・全面解決に向けて」と題してきこえない山本さん(優生連共同代表)から話しがありました。

 なぜ、このテーマにしたのか。原告には多くのろう者がいます。私は、手話の使用禁止の中で育ちました。障害がある人が障害のない人に従うことが当たり前にされてきた状況がありました。そこには、優生思想を法律化した優生保護法が大きく影響したと考えています。

 優生保護法は障害がある人たちに対して、不良な子孫といった誤った障害者観を市民に広めました。悪しき歴史です。全面解決に向けて闘ってきました。最高裁大法廷の判断は全ての優生裁判に大きく影響を及ぼします。

 6人の原告がすでに亡くなっている現状を見てほしい。優生保護法の問題の解決はまったなしの状況です。

 私たちは、国に対して最高裁の判決を待つまでもなく、被害者の高齢に鑑み全面解決することを求めています。最高裁の判決を待つまでもないということでこの集会のテーマにしました。

 私たちが求めている全面解決は、国がこの法律を作った国会で、甚大な被害を受けてきた原告や被害者に対して正式な謝罪を決議し、被害に対する正当な償いするための法律を作ること。二度とこのような歴史を繰り返さないためにも、更なる調査・実態把握をする。優生保護法の検証と総括をすること、つまり被害者当事者や関係者などの第3者を入れて総括することを求めます。

 優生保護法は改正されても優生思想は根強くはびこり、優生保護法問題は解決されずに残っています。国はこれ以上待っている時間はありません。憲法を守り、国連の障害者権利条約にあった解決を求め、最高裁の判決を待つまでもないことを訴えます。

9_20240326172301 山本さん

 そして、最高裁大法廷回付された事件の原告より表明がありました。

 ・飯塚淳子さん・佐藤路子さん(仙台地裁・仙台高裁・最高裁)

 ・小林寛二さん(ろう)・鈴木由美さん(神戸地裁・大阪高裁・最高裁)

 また、連帯のメッセージとして市川沙央さん(芥川賞作家)と林陽子さん(元国連女性差別撤廃委員会委員長)は、紙面を通して訴えがありました。

 

 続いて、登壇して4人から連帯のメッセージがありました。あいさつの中で私が印象に残った激励の部分を記載します。

・阿部一彦さん(JDF代表)

 私たちが、また次の世代の人々が安心して過ごせる社会のありようを考え、それを作り出していく努力が今求められています。

 そのような中にあって優生保護法による被害を自ら受けながら、この課題について今を生きる全ての人に問い続け闘っている原告の皆さま、弁護団の皆さま、優生連の皆さまに敬意を表します。

 JDF13団体で応援していくこと、そしてともに活動していくことが大変重要なことだと考えています。

10_20240326172301 阿部一彦さん

 

・佐々木桃子さん(全国手をつなぐ育成会連合会会長)

 この法律により障害者は排除され、障害のある人たちの対する差別や偏見に繋がっていった。強制不妊手術を受けた人だけではなく、障害のある人にも排除し差別や偏見をつくる社会にした一つの要因であったと考えます。

 人は、誰もが一人ひとり違います。その一人ひとりを認め合い、誰に対しても思いやりのある社会になってほしいと願っています。差別や偏見のない社会の実現に向け、最高裁大法廷において審議されます。ここに参加した議員の皆さまには早期解決、全面解決に向けてご尽力いただきたい。

11_20240326172301 佐々木桃子さん

 

・雨宮処凜さん(作家・反貧困ネットワーク世話人)

 北海道にいる知的障害のある従姉妹は、自分の体調が急に悪くなったが自分で病状を言えないので病院には受け入れられないということで、あっという間に亡くなってしまいました。日本の社会の見え方が変わりました。衝撃的なことがあった。北海道の施設で不妊手術のことがあった。どんどん酷くなっているので、一緒に声を上げていきたいと思います。

12_20240326172301 雨宮処凜さん

 

・高井ゆと里さん(群馬大学教員)

 私が特に考えるのはトランスジェンダーの人たちのことです。戸籍や住民票に書かれた性別が食いちがう人たちがいます。昨年、最高裁で違憲判決が出ましたが、「トランスジェンダーの人たちが子どもを産むと社会が混乱する」といった曖昧な理由に基づいて、この人権侵害が続いてきた状況は、許されないことであります。子どもを持つか持たないのかを自分で決める権利を尊重してこなかった誤った歴史があります。

 2018年に仙台で優生保護法の裁判が始まってからもう6年になります。私は、トランスジェンダーの権利擁護者として、そして、この国に生きる一人の市民として、この会場にいる、そして全国で聞いている全ての皆さんに対する連帯を表明します。国は一刻も早く謝罪をしてください。

13_20240326172301 高井ゆと里さん

 

 次に原告の声として3人の方から意見表明がありました。

 ・千葉広和さん(仙台地裁・仙台高裁・最高裁)

 ・朝倉典子さん(福岡地裁・福岡高裁) きこえない人

 ・日田梅さん(福岡地裁) きこえない人

 

 そして、熊本原告の渡邊數美さんのこれまでの闘いについての報告がありました。

 松本さん(優生連)から最高裁あての署名のとりくみについての発言がありました。

 これまで3回、下記の日に署名を最高裁に提出しました。

 ・1回目 11月1日

 ・2回目 2月7日

 ・3回目 3月21

 最高裁にこれまで届けた署名の総計は269,969筆になりました。何としても3月31日までに30万筆にして届けたいので協力してほしいと訴えがありました。

 

 閉会のあいさつがありました。

「5月29日に最高裁回付が開催されます。最高裁の15人の裁判官には原告の声をきちんと聞いてほしい。この日は傍聴できるのでぜひ多くの仲間で最高裁を囲んでほしい」と協力の訴えがありました。

 

 仙台、大阪、兵庫、福岡の会場を画面に映しながらアピール文を大きな拍手で決議しました。

15_20240326172301 各地の会場を映し出しました

 そして司会から本日の参加者は、会場359人、オンライン227人の合計586人の多くの方に集まってもらいました。そして、会場でのカンパも10万円弱集まったと報告がありました。

 1430分にすべてが終了して、解散しました。

 

 このあと15時から首相官邸前でアピール行動がありました。今回は、残念ながら用事があって参加できませんでした。

 

                      (文:全通研会長 渡辺正夫)

 

 

 

 

 

 

 

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2024年3月22日 (金)

第3回全通研Webアカデミー

3回全通研Webアカデミー

 2023年316日(土)に第3回全通研Webアカデミーがオンラインで開催されました。講師は植草学園大学副学長・毎日新聞客員編集委員の野澤和弘先生です。「発達障害の理解と支援」と題して講演していただきました。

1_20240322094301 講師の野澤和弘先生

 今回は申込数が236名、当日の画面アクセス数は最大182でした。(集団視聴の支部あり)

 全通研の中島みゆき理事が司会進行を担当しました。

2_20240322094301 司会の中島みゆき理事

 近年、発達障害は急増しており多数派社会の中でさらに生きづらくなっているそうです。多数派がその特性を理解し、彼らにも合った社会にしていくべきで、それが多様性に繋がり、経済や文化の発展をもたらすとお話されました。

 私が印象に残っているのは、「単品種の森は災害に弱い。さまざまな種類の草木がある森の方が災害にも病気にも強い」というお話です。さまざまな草木がある森というのは、多様性のある社会であり有事の時にも強いということです。

また、ビロンギング(安心できる所属感)というものを大切にしており、障害者の「能動的自律論」を実現できる社会が理想的であるともおっしゃっていました。

 

 休憩をはさんでストレッチをして身体をほぐしました。

3_20240322094301 ストレッチ担当の中島純子理事

 

 その後参加者からの質問にも丁寧にお答えいただき、実りある学習会となりました。その一部を紹介します。

Q1)仕事で聴覚障害と発達障害の重複の方と関わる機会がある。何かアドバイスを。

A1)ただ仕事を任せるのではなく、任せる意味をきちんと伝える。信頼しているから任せているといったところも伝えることで自信につながる。

 

Q2)最後のお話(ビロンギング)をもう少し詳しく。

A2) 生存権といえば堀木訴訟・朝日訴訟などが有名だが、例えば生活保護受給可否など金銭的な部分だけでなく、社会に能動的に関わる。例えば、重度障害者が何らかの役割を持つことで落ち着く。居場所や社会との関わりをどう作るかがポイント。

 

Q3)心のバリアフリーについて

A3)アスペルガーの方の支援で成功事例を紹介したが、これはあくまで1例であって、これが全ての方に当てはまるものではない。基本的には、ハマるものを探すしかない。それを専門職として探すこと。それが支援者を育てることになる。大変かもしれないが、AIにはできない人間にしかできない仕事であり、そのおもしろさも感じながら探してほしい。

 

 私も聴講していろいろと勉強になりました。『弱さを愛せる社会へ』や『スローコミュニケーション』など、野澤先生の著書もぜひ読んでみたいです。

                      (文:全通研理事 新船洋平)

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2024年3月16日 (土)

第2回全通研Webアカデミー

第2回全通研Webアカデミー

 

 2023年1月27日(土)に、第2回全通研Webアカデミーが、九州ブロック沖縄研究集会とオンラインで併催されました。

このような形で開催されるのは初めての試みとなりました。

講師は沖縄大学客員教授の小林武先生です。

「手話・手話通訳と基本的人権との関係」と題して講演していただきました。

1_20240316171201 沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)には九州各地から集まりました。

2_20240316171201 会場の様子です!

 今回は申込数が317、当日の画面アクセス数は最大218でした。(集団視聴の支部あり)

 

 小林先生には5月19日(金)の理事会でご講演いただきました。

この際、会員の皆様にも是非お話を聞いてもらいたいと思い、今回お願いすることにしました。

 先生より、手話との出会いから今に至るまでなど、温かい雰囲気で分かりやすくお話をしてくださったのでとても理解がしやすく、考えさせられる機会になったのではないでしょうか。

 「現地の参加者からは対面で講演を聞けたことが良かった」「先生ともっとゆっくり話す時間がほしかった」などの声がありました。

3_20240316171201

時間の都合で回答できなかった内容については、以下になります。

【質問】
教育によって習得した日本語とするのはどうなのでしょうか。日本語には音声日本語と書記日本語があると思うのですが。

【回答】

レジュメ5ページ下から9行目に、「教育によって習得した音声語」と書いたのは、不正確な表現であることに気付きました。
そこで「音声語」としましたのは、手話言語との対比における音声言語としての

日本語のことです。そして、日本語には、ご質問のとおり、音声日本語と書記日本語があります。私もそのように認識しているのですが、レジュメの書き方ではそれが伝わりません。「日本手話」の主張をどう受け止めるかを考えていた中で、そのような書き方をしてしまったのですが、不注意でした。
ご指摘に感謝します。

 

 本日、第3Webアカデミーを、316日(土)13時半~15時半に行いました。

たくさんの会員の皆様のご参加、ありがとうございました!

                    (文:全通研理事 髙橋 祐哉)

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2024年3月 7日 (木)

第9回N-Action合宿in京都

2023年度 第9回N-Action合宿in京都

日時 2024217日(土)~18(日) 

場所 ひと・まち交流館京都(京都市)

参加数 38名(N-Action委員、担当理事含む)

 

 2023年度のN-Action合宿は、京都市「ひと・まち交流館京都」において開催しました。4年ぶりの顔を合わせての合宿でした。京都支部にご協力いただき、企画運営の準備を進めました。

 受付も、以前のやり方を思い出しながら準備しました。

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1日目 開会式

 司会の吉室委員より趣旨説明、スケジュール、諸注意の説明を行いました。

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 小野尾一秀委員長より「久しぶりに集合し、こうして顔を合わせた合宿が開催できてうれしい。議論を深められる2日間にしたい」と、挨拶がありました。

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 荻島洋子組織部長より「N-Action委員会は組織部付きで、共に活動しています。こうして、皆さんとお会いし、懐かしい顔ぶれや、新しい仲間との出会いがありました。ご参加の皆さんのご協力により、こうして対面で開催できたことに対し感謝します」と、挨拶がありました。

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N-Action委員会活動報告

 小野尾委員長からN-Action活動報告がありました。委員会のメンバー紹介、活動について説明、徳島集会での「つどい」などの事業報告、、全国のN-Actionの状況などがありました。最後に、各事業にご参加者の皆さんのご協力によって行事ができ、感謝します」と、締めくくられました。

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企画①

 ここ京都は手話サークル発祥の地であり、また全通研事務所がある、まさに手話に関する先駆けの地です。京都支部長で、手話サークル「みみずく」創生時期から活動されている持田隆彦さんを講師にお迎えしました。

 テーマ 「京都の全通研の歴史」

 講師 持田隆彦氏(全通研京都支部 支部長)

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 持田さんのお話から、昭和40年代は、障害者はまだまだ苦しい現状におかれていた。差別が普通にあったこと(オンパレードだったと表現)。大会や集会へ向かうにも経済的・時間的に厳しい現状だったが、それでも手話の仲間からの支援を受けて参加し、全国の仲間と出会った。とにかくこの時代は我慢を強いられる時代だったと振り返り、現代社会では考えられないさまざまなことを話されました。また、これからを担うN-Action世代に向け、共にあゆむこととは何なのか。「みみずく」が掲げる良き友であるよう、これからの活動に期待するとエールをいただきました。

 持田さんの気迫溢れるお話に参加者は真剣に聞き入っていました。講演時間は少し超過となりましたが、激動の時代を過ごされた大変貴重なお話をしていただきました。

8_20240307134301 昭和40年 京都府立ろう学校の生徒が授業拒否をした際に配ったビラ

討議①

 講演後、グループに分かれ討議を行いました。持田さんの講演を受け、どのように感じ、これからの活動にどう活かしていきたいかを話し合いました。持田さんにも討議に参加してもらい、参加者からの質問に対し丁寧に答えていただきました。各グループを紹介します。

9_20240307134301 Aグループ   10_20240307134301 Bグループ

11_20240307134301 Cグループ   12_20240307134301 Dグループ

13_20240307134301 Eグループ    14_20240307134301 Fグループ

 1日目の終了時に、講師の持田さんと記念撮影をしました。

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夕食交流会

 4年ぶりの交流会です。京都支部の協力で会場を確保していただき、膝を突き合わせた交流ができました。また初めての参加者もあり、自己紹介で仲間のつながりが持て、N-Actionのネットワークの拡がりとなったのではないでしょうか。

16_20240307134301 17_20240307134301

2日目 企画②

 2日目の最初は地域からの報告です。参加全員が1度は発言してほしいと考え、全員に地域の様子や活動状況について報告しました。N-Action班立ち上げについて、地域ろう協青年部との関わりなど、それぞれの想いや支部活動について発表がありました。

18_20240307134301 19_20240307134301

20_20240307134301 代表して3名掲載します

【報告内容の抜粋】

・既存の行事に乗っかり若い世代にアプローチをかけてる

・手話カフェを行っている。また、ろう協青年部と一緒に活動、仲間づくりをしている

・N-Actionを年代で区切り、役割分担して、活動をしている

・N-Action活動と、子育ての両立について考えていく企画

・N-Actionメンバーが支部運営委員になった

・手話通訳技術について取り組んでいる(学習会)

・全青研を控え、ろう協青年部と合同企画

 

討議②

 1日目の講演、地域からの報告を受けてグループ討議を実施しました。より深めた討議を行い、それぞれのグループから発表しました。

21_20240307134301 22_20240307134301 討議の発表(Aグループ)

 Aグループ  通研への入りずらさがある。聞こえない人への差別がまだある。団結が力になる。場作りすることでつながり、「人、金、場」と動きだせば何かが変わる

 Bグループ みんなで集まるきっかけ作りが必要。集まるなら中心メンバーに若手が参加することが大事。目的を明確化させる必要

 Cグループ 未会員に向けての仲間づくり、居場所づくり。福井ドライブ(N-Action、ろう協青年部、お試し期間)。組織立ち上げ時に関連団体へ周知し認知してもらう活動をする。認知してもらい公式な組織として理解してもらい活動しやすい環境になる。活動のモチベーションをどう維持させるか。県境を越えての活動も必要。この課題をクリアすることでろう者のより良い暮らしにつながる。

 Dグループ つながりをどう作るか。ろう者、大学、青年部など。ツイッターのつながりから大学との交流へと結びついた事例あり。

 Eグループ やりっぱなしにしない。必ず全員参集でなく、来れる人だけでも活動する。無理をしないことが大事。情報共有をするように心がけている。この情報共有が大事。

 Fグループ 自分たちは手話を無料で教わっているが、ブラジルでは言語は有料で教わることが普通であり、日本の現状に驚く。ブラジルでは2002年に手話が言語として認定される。ブラジル手話はポルトガル語とリンクさせながらの表現ではなく、単独の文法があり、自分自身での十分な振り返りが必要になる。

討議③(全体討議)

 最後は全体討議です。参加者全員が1つの輪になり5つのテーマについて、自由に発言して、全体で討議を行いました。京都支部の皆さんがテーマごとに司会を担い、進行してくださいました。

23_20240307134201司会進行 加藤さん(京都)   24_20240307134201新潟 遠山さん

25_20240307134201北海道 樋口さん   26_20240307134201三重 渡地さん

閉会式

 最後にまとめと総評を行い閉会しました。

「合宿のまとめ」として小野尾委員長より挨拶があり「4年ぶりの開催で、夜の交流会では久しぶりのメンバー、初参加のメンバーと交流が図れ、グループ討議では深く議論できたのではないか」と感想を述べました。また、持田さんの講演から、差別の無い社会へ、そしてこのN-Action委員会がより発展して、良い活動へ向かうことを期待したいと結びました。

「総評」として、荻島組織部長より「組織部はN-Action世代の声を全通研に届ける役目がある。その声をしっかり受け止め、想いを伝え、実現できるよう協力していきたい」と、まとめの言葉と締めの挨拶がありました。

27_20240307134201 28_20240307134201

最後に!

 組織部の理事として、わたくし間舩は初めてN-Action合宿に参加させていただきました。率直に感じたこととして、参加された皆さんの考え、想いがとてもすばらしいと感じました。これを自分自身にあてはめ振り返ると、同じ世代だった頃に、このような想いや考えを持っていたのか?と言えば、無かったであろうと思います。また初めて参加された方も、興味があって参加されたり、誘われたから参加したと聞きましたが、でも根本は手話が好きで、ろう者との出会いの中で、いろいろな疑問や社会の矛盾など、個人個人が感じる何かを感じとって、そしてこの合宿へつながったのだと思います。これも巡り合わせですね。

 私自身にとってもの刺激のある合宿でした。1日目の持田さんの講演も、あのように「生き証人」からの言葉は心に響きます。この事実をきちんと受け止め、理解し、すべての人が幸せになる、暮らしの向上につながる運動が大切だと感じました。最後にN-Action委員の皆さん、京都支部の4名(吉田明代さん、加藤佳奈さん、栗田一歩さん、古賀舞子さん)には大変お世話になりました。そしてありがとう!(^‗^)v

 2024年度N-Action合宿は鳥取県で開催します。またお会いしましょう!

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                      (文・写真/全通研組織部  間舩博)

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