優生保護法問題の早期・全面解決を求める11・1集会
2023年11月1日(水)、『優生保護法問題の早期・全面解決を求める11・1集会』に参加しました。
集会までに時間があったので、会場近くの日枝(ひえ)神社に行きました。晴れていて気温も丁度良い日でした。
階段を登ると神社本殿が見えました。今日はお日柄も良かったのか、七五三のお祝いをする家族でいっぱいでした。
また、パワースポットでも有名な神猿(まさる)を見ることができました。
日枝神社・本殿 神猿(まさる)
会場は、議員会館の裏にある星稜会館2階のホールでした。会場には300人くらい集まりました。
会場に入るとすぐに目にとまったのが、各地域の横断幕でした。これまで裁判で飾られていたものです。
星稜会館 横断幕
開始時刻は12時の予定でしたが、オンラインの音声等の調整に時間を要した関係で5分遅れて始まりました。
司会は、佐藤さん(優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会(略:優生連))と関哉さん(東京弁護士会)が務めました。
最初のあいさつは、藤原精吾弁護士でした。「10月25日、仙台高裁の判決は晴れ晴れとしたものであった。『次は国の決断の時だ』の決断をさせることを確認する集会である。国は責任を認め、被害者全員に謝罪してほしい。二度とこのようなことを繰り返さないためにも、国の制度をどう作るのかが問われている。この熱き思いを国会議員にしっかり届け、優生保護法は絶対許さないという集会にしよう」と力強いことばがありました。
出席された衆議院議員5人と参議院議員7人の12人の議員からあいさつがありました。
みなさん各々が、「優生保護法は誤りである、優生思想を一掃していく、熱き思いを国会議員や政府にしっかり届けていく」、「一時金の支給の期限が来年4月に迫っている。延長していくための行動を起こしていく」と述べられました。
また、仙台市の市議会議員が3人参加されていました。
「10月25日仙台高裁判決勝訴!原告の声」として、千葉広和さん(仙台地裁・仙台高裁)本人から裁判について話がありました。
また、原告の声として最初に小林寶二(たかじ)さんのメッセージが読み上げられました。
その後、「連帯のあいさつ」を佐々木桃子さん(全国手をつなぐ育成会連合会会長)から、知的障害者のことを含めながらのあいさつがありました。
「11・1集会要請書の手交」では、飯塚淳子さん、佐藤路子さん(仙台地裁・仙台高裁・最高裁)、北三郎さん(東京地裁・東京高裁・最高裁)の原告から国会議員に要請書を手渡しました。北さんからは、「原告の5人が亡くなられました。私も80歳ですが、2万5千人の被害者の全面解決のためにも、最後まで闘っていきます」との力強いことばがありました。
再び「原告の声」として、西スミ子さん(東京地裁)、鈴木由美さん(神戸地裁・大阪高裁・最高裁)、聴覚障害者の長嶋恵子さん・啓一さん(名古屋地裁)が会場から、そして、オンラインでつながる地区会場から聴覚障害者の川野正子さん・山川百恵さん(神戸地裁)と日田梅さん(福岡地裁)が思い思いのメッセージを述べられました。
「10月25日仙台高裁判決の報告」では、旧優生保護法仙台弁護団団長の新里宏二弁護士から「6月1日に仙台高裁の石栗裁判長は憲法違反を認めたが除斥期間があるとし控訴を棄却した。それに比べ10月25日の仙台高裁の小林裁判長は、『20年の経過で賠償を求める権利はなくなると主張することは、法の正義・公平の観点からも権利の乱用にあたる』と指摘し、原告らの賠償請求権は、時効により消滅することはないとした。原告、被害者の声が社会を変える。命あるうちの解決、名誉の回復、岸田総理が原告に会って謝罪をする。全面解決まで95%くらいのところまできていると思っている。多くの理解者、メディアが取り上げるなどして早期解決をめざそう」と強い訴えがありました。
「優生保護法による被害者とともに歩む京都の会(仮)準備会発足報告」として共同代表の村田惠子さんが大阪会場からオンラインで「京都府聴覚障害者協会の呼びかけで立ち上げの準備をしている」と報告がありました。
「最高裁あての署名の取り組みについて」は、優生連事務局から「昨日、最高裁に第1期分として3万筆の署名を届けた。来年3月までに100万筆をトラックで届けたい。3期まで頑張る。全国の人にこの優生保護法のことを知っていただき、理解者を増やしたい」と参加者へ周知・協力を呼びかけました。
また、「カンパの訴え」があり、会場にカンパ袋が配られました。
そして、「アピール採択」では「優生保護法問題の早期・全面解決を求める11・1集会アピール(案)」が読み上げられ、参加者一同の賛同を得て採択されました。
アピール文の最後には、「私たちは、優生保護法問題を、誰かの問題ではなく、自分の問題として、社会のみんなが考え、障害の有無、性別、年齢、立場を超えて、命を分けない、平和で豊かな社会を心から望んでいます・私たちは、これからも力を合わせ、優生保護法問題の早期・全面解決をめざします」と書かれています。
閉会のあいさつでは、優生連の大橋由香子さんから「38人の原告の闘いが今まさに太い糸になってきた」とのことばで閉会を宣言しました。
最後に司会者から、「本日は会場に約300人、7つの集団視聴会場、オンラインで凡そ300画面の参加がありました」と参加人数の発表があり14時30分に閉会しました。
続いて、場所を総理官邸前に移して、15時過ぎから「総理官邸前アピール行動」を行いました。道路には150人ぐらい集まりました。
最初に「優生保護法問題の解決を求めるコール」を大きな声で読み上げ、訴えました。
その後、原告、弁護団、優生連からのアピールがあり、再度、シュプレヒコールをして官邸や通りがかった人たちに訴えました。
総理官邸前アピール行動に集う参加者の様子
大分県弁護士会・徳田靖之弁護士 優生連 共同代表 日本障害者協議会代表・藤井克徳氏
15時30分すべての企画が終了し、解散しました。
(文・写真:全通研会長 渡辺正夫)
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