第56回全国手話通訳問題研究集会~サマーフォーラムinとくしま~
「サマーフォーラムinとくしま」 参加者の笑顔で溢れる!
4年ぶりの集合開催となった「第56回全国手話通訳問題研究集会~サマーフォーラムinとくしま~」が8月18日~20日、徳島県徳島市の「アスティとくしま」で開催されました。
阿波踊りが終わり、台風も過ぎ去った後の徳島駅には、私たちを歓迎する看板がありました。
会場の「アスティとくしま」は、とても広い開放感のある施設。ここで開閉会式、講座、分科会が行われました。
初日の開会式。徳島の実行委員長、両主催団体、来賓の挨拶と続き、厚生労働省による特別講演が行われました。
開会式に続いて行われた「記念講演」。
講師は外科医であり、現在は兼業農家を営むという吉田修(おさむ)氏。アフリカのザンビアを中心に医療・農村開発を行うNGOの代表として自ら活動に従事し活躍してこられた方です。国内でも、市民による自然エネルギー発電所の建設を行うなど、世界をまたにかけて活躍されています。グローバルな視点から、マスコミ等では取り上げられていない地球規模の問題を自らの活動と体験をもとに語る話は、とても説得力がありました。
講演の中で、世界の4つの原子力による大きな被害をもたらした出来事として、「広島の原爆」「長崎の原爆」「チェルノブイリ原発事故」そして「福島原発事故」を挙げ、この中の3つが日本で起きた重大な出来事であることを強調されました。にもかかわらず、なぜ日本は原子力に依存するのかという訴えは、東北出身のわたしにとっては強く共感を得るものでした。
その夜、行われた「交流会」。
国の重要無形文化財「阿波人形浄瑠璃」の青年座と徳島支部の手話のコラボによる伝統芸能を堪能しました。心に響く語りと三味線による表現、親子の悲しい別れのくだりは胸を打ちました。その後は、地元の食材を使ったおいしい料理と共に久しぶりに会う仲間との懇談に、時間はあっという間に過ぎました。
2日目・3日目は「講座」と「分科会」が行われました。(「こども企画」は19日~21日の3日間)また、2日目は、「健康よろず相談」「労働関係者の集い」「N-Actionのつどい」「映画上映会」も行われました。
4つの「講座」は、初日の吉田修氏の記念講演を受けるように、現代の日本の社会や文化、地域の課題に真正面から取り組んでいる人たちが講師となり、さまざまな実践が紹介されました。どれも内容の深い、考えさせられる内容でした。「人権・福祉」の講座に参加した方からは「昨日の講演の流れで繋がるテーマが多く、とてもよい構成になっている」との感想をいただきました。
講座と並行して行われた6つの「分科会」では、11本のレポートと討議の柱のもと、熱い討議が行われました。分科会でレポート発表した人は、「地元の実践をレポート発表できた。今回、若い人を育てるために自治体に出張扱いにしてもらい一緒に参加・発表した。集会に参加することが未来を担う人を育てる一貫にもなっている」と語っていました。
第2分科会では、通訳の専門分野や身分保障の理想についてグループ討議を行い、それぞれ発表してもらいました。
最終日、「閉会式」で最初に参加者の注目を集めたのが「こども企画」に参加した可愛いこどもたち。一人一人が、2泊3日の楽しかった体験を手話で発表!練習した阿波踊りも披露してくれました。
主催2団体からは、全日本ろうあ連盟の石野理事長と全通研の渡辺会長から総括の挨拶がありました。4年ぶりの集合開催は徳島の実行委員会、四国ブロックの団結で素晴らしい集会になったと、地元の頑張りを称える挨拶でした。
そして、徳島実行委員会の平実行委員長からは、いろいろなことがあって、たいへんだったが、集会をやり遂げることができたと感無量の挨拶。
来年度開催の鹿児島への引継ぎを行い、来年の鹿児島での再会を誓いました。
なお、今集会開催中には、台風や集中豪雨等の被害を受けた聴覚障害児・者、手話通訳者等を対象とする救援活動の募集、対策本部・地域本部等試験活動等を行うために設けられた「災害救援基金」募金が行われ、18万2,770円の募金が集まったことが報告されました。
今回の「サマーフォーラムinとくしま」は、徳島の実行委員会と四国4県の協力のもとで、小さな支部や協会でも全国規模の集会を開催できることを証明してくれた集会でもありました。
最後に、集会テーマの「今 仲間の笑顔で 未来を拓く」を見事に実現した徳島の実行委員会のみなさんと関係の方々に改めて深く感謝したいと思います。
(文・写真/全通研 研究部 石川 敬)
<番外編>
サマーフォーラムのもう一つの楽しみは、それぞれの地域の名物を堪能できることです。徳島の名物料理を紹介します!
☆徳島の食材が盛り込まれた「ピザ」! 鳴門レンコンの食感やしらすの風味に、爽やかなすだちの香りが相まって、とても美味しかったです。
☆鳴門鯛に代表される新鮮な魚介類。甘みがあってめちゃ美味しかったです!
☆ネーミングも楽しい「阿波尾鶏(あわおどり)」。味噌だれに漬け込んだものを香ばしく焼いたもの。
☆徳島ラーメン。濃厚な豚骨醤油スープに甘辛く似た豚バラ肉、生卵のトッピング。
☆集会のお弁当も、地元の名物満載!
集会を終えて、特急「うずしお」に乗って瀬戸大橋を渡り、岡山経由で新幹線を乗り継ぎ、岩手に帰りました。来るときは大雨でしたが、帰りは晴れて瀬戸内海独特の美しい島々の景色を眺めることができました。
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