韓国から안녕하세요 annyeonghaseyo(WASLI2023デイリー報告)7月7日(金)その1 ※本文最後にYouTube動画があります。
2023年07月07日(金)その1
「基調講演」
WASLI Conference 2023本会議
7月7日初日の基調報告はアフリカにおける手話通訳の現状についてでした。アフリカには54の国があり、16億人を超える人々が生活している。使用されている言語は3,000を超えると言われます。1つの国でも多言語で、植民地時代の旧宗主国の言語を共通言語としている国が多いです。国内でも国際的な情報交換でも多言語であることが情報交換を難しくしているとのこと。
手話通訳の不足、それにともなうろう者の手話通訳に対する無理解、手話通訳者の組織化の遅れ、手話や手話通訳を公的に認めている国はわずかで、行政への働きかけが難しいこと、養成機関の不足など課題は山積みです。それでも、小さな成功をお互いに確認しながら長い道を進んでいくという話でした。
(小林裕太:研究誌部員)
「研究発表」
本会議初日の昨日は、6つの研究発表が行われました。
その中で、午前中に行われた「手話通訳養成に欠けているものは?通訳者へのダイバーシティ・インクルージョン教育」「通訳教育におけるクリティカル・レンズの必要性」という2つの発表は、どちらも多様性やダイバーシティの課題についてでした。
通訳を利用するろう者は多様であるにもかかわらず、手話通訳者はシスジェンダーの白人女性が圧倒的に多いという課題があります。そこで、学生や通訳者を対象にダイバーシティやインクルージョンに関する授業を開始したそうです。内容は、通訳現場で必要となるジェンダーや宗教の知識はもちろん、更年期障害などのテーマもあり、興味深かったです。どちらの発表でも、ニューロダイバーシティ(簡単にいえば発達障害)などにも言及していました。
また、通訳者自身や通訳を目指す学生を多様化させていく必要もあり、これも現在の課題だということです。
ポスター発表でも、様々なバックグラウンドを持つ通訳者へ聞き取りを行った研究の中で「通訳者の多様性」に触れられており、活躍中のろう通訳者に白人男性が多いという問題提起もありました。
これは日本でも、聴者の手話通訳者は圧倒的に女性が多数なのに対し、テレビ出演などで活躍するろう者の手話通訳者は比較的男性が多い現状と繋がりますよね。
それぞれ別の国の通訳者による発表ですが、日本も含め、共通する課題も多いのだとわかりました。今日以降の発表からも、日本の様々な課題解決のためのヒントをたくさんもらいたいと思います!
(川口千佳:ツアー参加者・東京支部)
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★動画をYoutubeにアップしています。
下記より、ご覧ください。
WASLI 20230707(字幕入)
WASLI_Nepalメッセージ(字幕入)
(宮澤典子:副会長・国際部長)
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