手話を広める知事の会総会・手話言語フォーラム
令和4年度 手話を広める知事の会総会・手話言語フォーラムへ参加しました。
2022年11月15日(火)衆議院第1議員会館 地下1階の大会議室において「令和4年度 手話を広める知事の会総会」「第2部 手話言語フォーラム」へ全通研から渡辺正夫会長、伊藤利明理事(健康対策部長)、手話言語法制定推進運動本部委員として間舩博の3名で出席しました。
12時50分から総会開始前に記念撮影が行われました。
(前段 中央に平井知事、石野理事長)
13時から「令和4年度 手話を広める知事の会総会」が開催され、会場参加に加えオンラインにより各自治体と接続し議事が進められました。
会長あいさつでは、平井伸治鳥取県知事が挨拶をすべて手話で表現されました。
続いて来賓あいさつとして日本財団より尾形武寿理事長、全日本ろうあ連盟より石野富志三郎理事長、全国手話言語市区長会より星野光弘富士見市長(埼玉県)、それぞれから挨拶がありました。
尾形理事長の挨拶では、日本財団として手話言語法制定に向けともに運動しているが、国家が動かない現状や法として整備されることで手話が拡がり、今後の期待に繋がるとお話しされました。
石野理事長の挨拶では、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法制定や2025年デフリンピック東京開催と大きな変化が同時に起きたこと、手話言語の国際デーによるブルーライトアップ活動への取り組みなどお話されました。
星野富士見市長の挨拶では、手話を広げる知事の会、全日本ろうあ連盟、日本財団と連携した活動を行っていること、全国手話言語市区長会の会員が設立当初は280自治体だったのが現在は617自治体に拡大したこと、今後も継続して手話言語法制定、手話言語条例の普及を発展させていくことをお話されました。
引き続き議事に移り、議長を知事の会会長でもある平井伸治知事が担い進行されました。全議案が承認されました。
(議長を務める平井知事) (司会=鳥取県 中西福祉保健部長)
総会後の講義では講師に参議院議員 滝波宏文氏による「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法について」と、日本財団電話リレーサービス理事長 大沼直紀氏よる「電話リレーサービスの近況と地域登録の新しい動きについて」が、それぞれ講演されました。
滝波議員からは、家族に障がい者が産まれたこと、財務官僚時代に予算枠組みへの疑問とその予算が障害者福祉施策へ十分反映されていないのではないか、施策そのものが脆弱なのではないか、その経験を踏まえ超党派により議論を重ね法案を作り上げたことを話されました。
大沼理事長からは、電話リレーサービスの取り組みと、この事業を展開していく上で届いた当事者の喜びの声や聴覚障がい者本人が家族として、社会の一員として誰の手も借りずに責務を果たし、自信に繋がっていること。インフラが整備されたことで生活の幅に拡がりが見え、充実した暮らしに一翼を担っていることなどをお話されました。時折、手話を交えてお話されたのが印象的でした。
すべての進行が滞りなく執り行われ、総会が終了いたしました。
14時20分から「第2部 手話言語フォーラム」が引き続き開催されました。
主催者挨拶では全日本ろうあ連盟 大竹浩司副理事長が挨拶されました。
(全日本ろうあ連盟 大竹副理事長)
来賓挨拶では、参議院議員 今井絵理子氏と、国際ろう者スポーツ委員会委員長のアダム・コーサ氏から挨拶がありました。
(参議院議員 今井絵理子氏) (国際ろう者スポーツ委員長 アダム・コーサ氏)
基調報告では、手話を広める知事の会長 平井伸治鳥取県知事より「障がい者情報アクセスモデル県として~鳥取からの発信~」と題し、鳥取県の取り組みや事業について報告がありました。
「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法から手話言語立法のために」をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターとして石橋大吾全日本ろうあ連盟副理事長の進行により、各団体からパネラー5名が参加され、それぞれの立場から発言されました。全通研からは伊藤利明理事が参加され、全通研の運動や今後の動きについて発言がありました。
(左:石野理事長、田門弁護士、伊藤理事、渡部理事 右:石橋副理事長)
(挨拶する伊藤理事) (発言する伊藤理事) (士協会 渡部氏)
指定発言としてパネラーの佐藤英治氏から昔のろう教育の現状、手話言語法制定によってこれからのこと、今後の期待について述べられました。また佐藤氏の発言を受け、伊藤理事から「佐藤氏との出会いは、北海道の手話通訳者が頸肩腕になった問題がきっかけであったことを思い出しました」とコメントがありました。
(北海道ろうあ連盟 参与 佐藤英治氏)
来賓挨拶では、衆議院議員 牧島かれん氏、参議院議員 塩田博昭氏、神奈川県議会議長 敷田博昭氏、それぞれより挨拶いたしました。
(衆議院議員 牧島氏、参議院議員 塩田氏、神奈川県議会議長 敷田氏)
宣言では、東京都障害者施策推進部長 中川一典氏、東京聴覚障害者連盟会長 粟野達人氏の2名により、手話と音声同時による宣言を行いました。中川氏と粟野氏の息がピッタリと合っており、最後には2名同時に「よろしくお願いします」と締めました。
(左:東京都聴覚障害者連盟会長 粟野氏、 右:東京都障害者施策推進部長 中川氏)
最後に司会から「手話言語法の早期立法を目指し、ともに前進して運動を進めて行きましょう」と、まとめられ、閉会しました。
終了後、渡辺会長、伊藤理事、渡部芳博氏、間舩博の4名で記念撮影をしました。特に渡辺会長とは久しぶりに、伊藤理事とは初めてお会いができ、有意義な一日となりました。
(左から間舩、渡部氏、伊藤理事 渡辺会長) (名刺交換する渡辺会長)
【感想】
この度の知事の会総会・手話言語フォーラムは初めて参加しました。社会の「手話」に対する認知の拡がりはまだまだです。また、聴覚障害者が生活して行く上で感じる暮らしにくさへの理解が必要です。聴覚障害者の生活向上や課題を解決していくためには、その第一歩となる手話言語法の法整備が求められます。
当事者だけの想いではなく、日本財団はじめ国会議員の皆様、手話に関わる関係者の皆様、賛同者がともに想いを共有していきたいと思います。何より手話言語法意見書活動で全国市区町村議会の100%採択を受け、国民の総意として国もこの声にしっかり応えていただきたいと思いました。この機運の高まりを機に、手話言語法の早期制定と、制定によって、誰もが暮らしやすい社会に転換することに期待したいです。
(文/全通研理事 間舩博 写真/間舩博、全通研事務所)
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