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2022年11月30日 (水)

リーダー養成講座 in Zoom 【第2弾】

リーダー養成講座 inZoom

【第2弾】「ワークショップ」~第1弾を聞いて、全通研の魅力、これからの支部運営~ 

2022年11月23日(水・祝)10:00~12:00

 

 第1弾の「運動するということ」~財政からみた全通研活動を知ろう~講師:橋本博行副会長(兼財政部長)のお話をもとに、ワークショップを開催しました。

 第1弾に続き、13人の参加でした。

 最初に、荻島組織部長から、挨拶と本日の流れの説明がありました。

1_20221130100501 荻島組織部長

2_20221130100501

 2グループに分かれて、約80分間ワークショップを行い、その後各グループから報告をしていただきました。

 

①グループ

3_20221130100501 司会:大阪支部 山口さん4_20221130100501報告:愛知支部 福島さん

②グループ

5_20221130100501 司会:埼玉支部 鈴木さん6_20221130100401報告:宮城支部 新出さん

 第1弾を聞いての感想は、「決算報告と事業報告を見ることで活動や歴史が見えるということが実感できた」「お金の流れから運動を考えることは、思いもよらなかった」「会費の値上げと会員の増加の関係の部分が興味深かった」などでした。

 話し合った内容は、

【会費の額】魅力ある活動であれば継続してくれる。

      入会後、価値を得られた人は継続する。

      学生会費を設けてほしい。

【活  動】誘いやすい環境作りができれば会員が増える。

      入口となるイベントを定期的に開催すると、入会に繋がる。

      勉強会の開催など、魅力ある内容の工夫が必要。

      ハイブリッド形式は、参加しやすい。

      歴史を学び、運動を起こすことが大切。

      今伝えたい情報をリアルタイムで発信できると良い。

      活動の内容が、一般の人にもわかるようにする必要がある。

【書  籍】購入者の幅を広げ、手話を知らない人にも読んでもらえるもの。

      書籍は、購入者が減少している。動画配信を活用してはどうか。 

      技術関連の書籍が欲しい。

Web学習会】参加しているし今後も参加したいが、有料になると参加するかどうか?

………などなどでした。

 最後に、荻島部長からまとめとして「皆さんからのご意見・ご要望等の提案を待っています」との挨拶がありました。

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*全体的に、暗い画面になってしまいました。ごめんなさい<(_ _)>

 今後、検討していかなければならない課題も出ました。皆で議論していく中で、活動のあり方や課題が少しずつ整理されていくのだと感じました。短い時間でしたが、しっかり話し合うことができました。今年最後の祝日に、ご参加いただきありがとうございました。皆さま、お疲れ様でした。

                   (文・写真/全通研組織部 曽我部啓子)

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2022年11月24日 (木)

「新しい手話通訳現場」に携わる人の交流会

全通研組織部・健康対策部合同企画

 「新しい手話通訳現場」に携わる人の交流会

2022年11月12日(土)9:30~12:30  オンライン(Zoom)

 

 2021年度の「電話リレーサービス、遠隔手話通訳関係者の学習交流会」に続き、2022年度は、「新しい手話通訳現場」としての「画面通訳」に関する課題の整理や仲間づくりのための学習交流会を開催しました。

 申し込みは58名(内未会員4名)、当日参加は43名(内未会員3名)でした。

 最初に、荻島組織部長から、仲間の大切さや健康管理の必要性のお話があり、本日の交流会でしっかり学び交流していただきたいと挨拶がありました。

1_20221124110101 荻島組織部長

 

 基調報告の講師は、江原こう平氏(全通研東京支部事務局長)でした。江原氏には、全通研の事務局付事務局員も担っていただいています。国立障害者リハビリテーションセンター学院の手話通訳学科の教官をされていて、そのご活躍は、皆さまご存知のことと思います。

2_20221124110101 講師:江原こう平氏

 

基調報告「画面での手話通訳とその特徴」

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 お話は、通訳の定義から始まりました。基本の基本です。

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 「通訳者」「ろう者・難聴者・中失者」「聴者」の空間の共有についてです。同一空間にいるのか、別空間にいるのか、さまざまなパターンがあります。しっかり想定できることが必要ですね。

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 「視線をはずすと、自分を見てくれない!と思われる」「指さしなどは、画面上ではどこを指すことになるのか、事前に確認が必要」「機器のトラブルに対して、復旧の知識も必要になる」など、丁寧にお話いただきました。機器の操作の学習も必要になってきますね。

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 「手話通訳者の背景は、何色が良いか?」「ワイプはどこが良いか?」のお話もありました。地元のろう者に聞いてみることが大切ですね。因みに、記者会見の時の自治体のマークが入ったバックボード(背景)は、見づらいということでした…

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 最後に、課題とまとめとして5つのポイントを話していただきました。まだまだ始まったばかりの画面通訳なので、今後実践を重ねながら、協議・改善していかなければならないと感じました。

 

基調報告を受けて意見交換(グループワーク)

 基調報告後、8グループに分かれて意見交換を行いました。

 

ストレッチ

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 ストレッチ担当は、健康対策部の江見さんです。画面を見続けると、どうしても頸・肩に力が入ってしまいます。目も疲れますし… ストレッチは、必要ですね。おかげでスッキリしました。

 

全体会(グループ報告)

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①大阪:種野さん ②千葉:春山さん ③茨城:白澤さん ④東京:築山さん

 

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⑤兵庫:木崎さん ⑥愛知:川部さん ⑦石川:保倉さん ⑧埼玉:寺村さん

 

 報告担当の皆さまです。報告担当の方には、お名前の前に◎をつけさていただきました。◎を見て、少し不安に思われていたのではないでしょうか?突然のお願いにも関わらず、報告担当を引き受けていただきありがとうございました。

 

 1グループから順に、話し合った内容を報告していただきました。

 各グループ、画面通訳経験者・未経験者といろいろな方が参加されていました。「機器の操作“習うより慣れよ”」「機器トラブル時の対処方法」「画面通訳上でのトラブル時の対応」「環境改善を提案していく」「相手側の周辺情報の共有について」「画像の2次使用について」「医療現場での画面通訳の難しさ」などを話し合ったとのことでした。さまざまな失敗・悩みに対し、経験談やアドバイスも出て、短い時間ではありましたが十分話し合いができたようでした。

 その後、江原氏から感想・助言をいただきました。

 「画面通訳も通訳技術の基本の部分は同じ」「ろう者が、画面通訳をどのように見て感じているかのフィードバックが大切」「環境改善は、積極的に提案しないと変わらない」など、他にも具体的な助言をいただき、大変参考になりました。

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 皆さん、グループ報告を熱心に聞いていらっしゃいました。

 

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 最後に、伊藤部長からまとめの挨拶があり本日の交流会は終了しました。

 

 皆さま、3時間に渡るオンラインでの交流会、お疲れ様でした。来年度も開催の計画をしています。ぜひご参加ください(*^-^*)

 

                     (文・写真/全通研組織部 曽我部啓子)

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2022年11月22日 (火)

手話を広める知事の会総会・手話言語フォーラム

 令和4年度 手話を広める知事の会総会・手話言語フォーラムへ参加しました。

 20221115日(火)衆議院第1議員会館 地下1階の大会議室において「令和4年度 手話を広める知事の会総会」「第2部 手話言語フォーラム」へ全通研から渡辺正夫会長、伊藤利明理事(健康対策部長)、手話言語法制定推進運動本部委員として間舩博の3名で出席しました。

 1250分から総会開始前に記念撮影が行われました。

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  (前段 中央に平井知事、石野理事長)

 

 13時から「令和4年度 手話を広める知事の会総会」が開催され、会場参加に加えオンラインにより各自治体と接続し議事が進められました。

 会長あいさつでは、平井伸治鳥取県知事が挨拶をすべて手話で表現されました。

3_20221122111301 (平井伸治会長の挨拶)

 

 続いて来賓あいさつとして日本財団より尾形武寿理事長、全日本ろうあ連盟より石野富志三郎理事長、全国手話言語市区長会より星野光弘富士見市長(埼玉県)、それぞれから挨拶がありました。

尾形理事長の挨拶では、日本財団として手話言語法制定に向けともに運動しているが、国家が動かない現状や法として整備されることで手話が拡がり、今後の期待に繋がるとお話しされました。

4_20221122111301 (日本財団 尾形理事長)

 

 石野理事長の挨拶では、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法制定や2025年デフリンピック東京開催と大きな変化が同時に起きたこと、手話言語の国際デーによるブルーライトアップ活動への取り組みなどお話されました。

5_20221122111301 (全日本ろうあ連盟 石野理事長)

 

 星野富士見市長の挨拶では、手話を広げる知事の会、全日本ろうあ連盟、日本財団と連携した活動を行っていること、全国手話言語市区長会の会員が設立当初は280自治体だったのが現在は617自治体に拡大したこと、今後も継続して手話言語法制定、手話言語条例の普及を発展させていくことをお話されました。

6_20221122111301 (埼玉県富士見市 星野市長)

 

 引き続き議事に移り、議長を知事の会会長でもある平井伸治知事が担い進行されました。全議案が承認されました。

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(議長を務める平井知事)   (司会=鳥取県 中西福祉保健部長)

 

 総会後の講義では講師に参議院議員 滝波宏文氏による「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法について」と、日本財団電話リレーサービス理事長 大沼直紀氏よる「電話リレーサービスの近況と地域登録の新しい動きについて」が、それぞれ講演されました。

 滝波議員からは、家族に障がい者が産まれたこと、財務官僚時代に予算枠組みへの疑問とその予算が障害者福祉施策へ十分反映されていないのではないか、施策そのものが脆弱なのではないか、その経験を踏まえ超党派により議論を重ね法案を作り上げたことを話されました。

8_20221122111301 (参議院議員 滝波宏文氏)

 

 大沼理事長からは、電話リレーサービスの取り組みと、この事業を展開していく上で届いた当事者の喜びの声や聴覚障がい者本人が家族として、社会の一員として誰の手も借りずに責務を果たし、自信に繋がっていること。インフラが整備されたことで生活の幅に拡がりが見え、充実した暮らしに一翼を担っていることなどをお話されました。時折、手話を交えてお話されたのが印象的でした。

9_20221122111301 (日本財団電話リレーサービス 大沼理事長)

 

 すべての進行が滞りなく執り行われ、総会が終了いたしました。

 

 1420分から「第2部 手話言語フォーラム」が引き続き開催されました。

 主催者挨拶では全日本ろうあ連盟 大竹浩司副理事長が挨拶されました。

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(全日本ろうあ連盟 大竹副理事長)

 

 来賓挨拶では、参議院議員 今井絵理子氏と、国際ろう者スポーツ委員会委員長のアダム・コーサ氏から挨拶がありました。

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 (参議院議員 今井絵理子氏)  (国際ろう者スポーツ委員長 アダム・コーサ氏)

 

 基調報告では、手話を広める知事の会長 平井伸治鳥取県知事より「障がい者情報アクセスモデル県として~鳥取からの発信~」と題し、鳥取県の取り組みや事業について報告がありました。

14 (基調報告を行う平井知事)

 

 「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法から手話言語立法のために」をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターとして石橋大吾全日本ろうあ連盟副理事長の進行により、各団体からパネラー5名が参加され、それぞれの立場から発言されました。全通研からは伊藤利明理事が参加され、全通研の運動や今後の動きについて発言がありました。

 

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(左:石野理事長、田門弁護士、伊藤理事、渡部理事   右:石橋副理事長)

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 (挨拶する伊藤理事)    (発言する伊藤理事) (士協会 渡部氏)

 

 指定発言としてパネラーの佐藤英治氏から昔のろう教育の現状、手話言語法制定によってこれからのこと、今後の期待について述べられました。また佐藤氏の発言を受け、伊藤理事から「佐藤氏との出会いは、北海道の手話通訳者が頸肩腕になった問題がきっかけであったことを思い出しました」とコメントがありました。

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              (北海道ろうあ連盟 参与 佐藤英治氏)

 

 来賓挨拶では、衆議院議員 牧島かれん氏、参議院議員 塩田博昭氏、神奈川県議会議長 敷田博昭氏、それぞれより挨拶いたしました。

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(衆議院議員 牧島氏、参議院議員 塩田氏、神奈川県議会議長 敷田氏)

 

 宣言では、東京都障害者施策推進部長 中川一典氏、東京聴覚障害者連盟会長 粟野達人氏の2名により、手話と音声同時による宣言を行いました。中川氏と粟野氏の息がピッタリと合っており、最後には2名同時に「よろしくお願いします」と締めました。

 

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(左:東京都聴覚障害者連盟会長 粟野氏、 右:東京都障害者施策推進部長 中川氏)

 

 最後に司会から「手話言語法の早期立法を目指し、ともに前進して運動を進めて行きましょう」と、まとめられ、閉会しました。

 

 終了後、渡辺会長、伊藤理事、渡部芳博氏、間舩博の4名で記念撮影をしました。特に渡辺会長とは久しぶりに、伊藤理事とは初めてお会いができ、有意義な一日となりました。

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(左から間舩、渡部氏、伊藤理事 渡辺会長)   (名刺交換する渡辺会長)

 

【感想】

 この度の知事の会総会・手話言語フォーラムは初めて参加しました。社会の「手話」に対する認知の拡がりはまだまだです。また、聴覚障害者が生活して行く上で感じる暮らしにくさへの理解が必要です。聴覚障害者の生活向上や課題を解決していくためには、その第一歩となる手話言語法の法整備が求められます。

当事者だけの想いではなく、日本財団はじめ国会議員の皆様、手話に関わる関係者の皆様、賛同者がともに想いを共有していきたいと思います。何より手話言語法意見書活動で全国市区町村議会の100%採択を受け、国民の総意として国もこの声にしっかり応えていただきたいと思いました。この機運の高まりを機に、手話言語法の早期制定と、制定によって、誰もが暮らしやすい社会に転換することに期待したいです。

 

                  (文/全通研理事 間舩博  写真/間舩博、全通研事務所)

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2022年11月10日 (木)

リーダー養成講座 in Zoom【第1弾】

リーダー養成講座 in Zoom 

 【第1弾】「運動するということ」~決算から見た全通研の歩み~  

                         講師:橋本博行副会長(兼財政部長)

2022年10月30日(日)10:00~12:00

 

 リーダー養成講座が新しくなりました。

 昨年度までは、「全通研のあゆみ」「人権」「運動」について学び、参加者同士が全通研の未来について考えるための「ワークショップ」を行っていました。しかし、幅広く学ぶ場である『全通研WEBアカデミー』ができたことを受け、第1弾「運動すること」の一つの講座と、第2弾「ワークショップ」を開催することになりました。

  2022年度は、15人の申し込みがあり、第1弾の1030日(日)は、13人の参加がありました。

 

  最初に、荻島組織部長から、「新しくなったリーダー養成講座で、財政から見た全通研活動を知ることにより、今後の活動に役立てていただきたい」と挨拶がありました。

1_20221110125001 荻島組織部長

 講師は、橋本博行副会長(兼財政部長)でした。財政と聞くと、「難しい!」と思ってしまいますが、ポイントを絞ってお話いただけたので分かりやすく、また、全通研の活動と背景のお話は、とても興味深いものだったので、あっという間の2時間でした。

2_20221110125001 橋本博行副会長(兼財政部長)

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「貸借対照表」の「正味財産」を見ると、全通研が持っている財産全ての金額が分かる。「流動資産」を見ると、財産の中味が分かる。というお話から始まりました。難しい言葉が並びましたが、決算書を見るポイントが分かりました。

 「定款」に、「自分たちの団体はこういうことをやります」ということや事務局について書かれている。ということで、そう言えば、「きちんと読んだことがなかったな~」と気づきました。*皆さんも、議案書の最後の「定款」を確認してみてください。

4_20221110125001

 「決算額の推移」「会計別決算額の推移」「会費の変遷」「会員の増加」のグラフを見ながら、歴代の当時のお話をしていただけたので、全通研の活動状況がよく分かりました。「いろいろなことがあったんだな~」と、運動のうねりのようなものを感じました。

5_20221110125001

 アイラブパンフ普及運動や研究誌の変遷についても丁寧にお話いただき、全通研を身近に感じました。

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8_20221110125101

最後に、これからの全通研についてのお話があり、「自分に何ができるのか?」「支部で何ができるのか?」をしっかり考えていきたいと感じました。

 

 途中に休憩がとれなかったので、最後に、荻島組織部長のストレッチで身体をほぐしました。少し、楽になったでしょうか? お疲れ様でした(*^-^*)

9_20221110125101 <顔出しOKの参加者の皆さんです>

 

 今回の講座で、全通研の活動がよく分かりました。次回は、今回の内容をより深められるようしっかり意見を出し合いましょう。

 

次回は、1123日(水・祝)10001200

【第2弾】「ワークショップ」

~第1弾を聞いて、全通研の魅力、これからの支部運営」~です。

 

             (文・写真/全通研組織部 曽我部啓子)

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2022年11月 8日 (火)

フォーラム「地域共生社会と自治体手話通訳者のしごと」

 2022年1021日(金)秋晴れの中、フォーラム「地域共生社会と自治体手話通訳者のしごと」が開催されました。秋晴れと書きましたが・・雨が降っても大丈夫なオンラインでの開催でした。

 事前の申込みが518件ということで、とても関心を持ってくださっているのと同時に「学ぶ」ということに意欲的・積極的であり、学ぶ場・共有する場を必要と感じている方がいかに多いかを感じました。さらに、オンラインということで参加しやすかったこともこの数字に表れていると思います。(参加の最大画面数:452

 司会の岩谷誠司委員(全通研自治体業務・政策研究委員会)から流れ等の説明の後、渡辺全通研会長の挨拶、続いて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課自立支援振興室 情報・意思疎通支援係の大江翔様より「意思疎通支援事業と地域共生社会」と題してお話がありました。

1_20221108115901 大江翔様(上)

 先日施行された「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の概要説明がありました。この法の目的、基本理念について説明があり、それにより基本的施策が今後進められるとのことでした。また、これには付帯決議があり、その中に手話言語法について述べられています。「手話言語法の立法を含め、手話に関する施策の一層の充実の検討を進めること」。今後、これらに期待したいと思います。障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについても述べられました。

 

2_20221108115901 岩崎由美子様(上)

 続いて、実践報告です。まずは福島県郡山市保健福祉部 障がい福祉課 支援給付係 係長の岩崎由美子様より報告されました。岩崎さんは手話通訳者としての採用ではなく、一般職の方でしたが、自らの言葉で聴覚障害者施策について説明していただき、とても感激しました。郡山市の概要、設置されている手話通訳者について、そして手話言語条例について。2015(平成27)年3月議会で可決され41日から施行されました。特徴は災害時の対応、情報通信技術(ICT)の活用、その他の意思疎通支援の推進とのことです。災害時の対応についてのお話の中に「避難所用コミュニケーションボード」と「障がい者避難所対応マニュアル」がありました。どちらも非常に興味深いもので、参考に見せていただきたいと思いました。

 情報通信技術(ICT)の活用では、支所と本庁の窓口を映像で結んで手話通訳での対応をしているとのこと。「遠隔手話通訳サービス」や「郡山市手話言語動画」配信のことなどもうかがいました。手話の講座も熱心にされており、市議会議員勉強会や新採用職員向けの研修としても行われています。今年度、手話奉仕員養成講座全26回をオンラインで開催されたということに、他の市町から多くの質問が寄せられました。

 

3_20221108115901 前田裕俊様(上)

 2つ目の報告は大阪府大東市福祉・子ども部 障害福祉課の前田裕俊様から報告がありました。大東市の概要、手話通訳について、そして手話言語条例について。大東市は2015(平成27)年9月に可決。11月より施行されました。大阪府下で最初だそうです。そして、手話施策推進方針(アクションプラン)を作成し、それに沿って施策を進めていくとのことです。ポスターやパンフレットの作成、掲示、配布、広報誌での取り組み、防災の取り組み(災害時支援用バンダナを作成)など多岐に渡っての活動をされています。今後は、手話の研修会も今以上に多様に対応して開催したいと考えておられ、その一つに「親子手話教室」の実施も検討中とのことでした。

 両方の報告が終わった後、チャットに寄せられた質問からいくつか取り上げ、質疑応答の時間を設けました。手話奉仕員養成講座について、遠隔手話通訳について(高齢者への対応など)、バンダナの配布先について、手話講座の講師はどなたか、地域の当事者団体との協働についてなどさまざまな質問が出てきました。時間の制限もあり、すべてを取り上げることができず、回答できなかった方々には、申し訳ありませんでした。

4_20221108115901 渡辺芳博委員長(上)

 最後にこのフォーラムを企画・実施した全通研自治体業務・政策研究委員会の取り組みについて、渡部芳博委員長より説明され、その後、閉会となりました。参加された皆さま、お疲れさまでした。このフォーラムで得たことが皆さまの業務に少しでも役に立つと幸いです。

 

                   (全通研 理事/自治体業務・政策研究委員会 中島みゆき)

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2022年11月 1日 (火)

優生保護法問題の全面解決をめざす10.25全国集会

 10月25日(火)に、「優生保護法問題の全面解決をめざす10.25全国集会」が、東京の日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)にて優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会(ゆうせいれん)主催で開催されました。

 私は集会に参加する前に、日比谷公園で行われていた第20回日比谷公園ガーデニングショーでコンテストに出品された作品を見に行きました。「馬れる MUSEUM」にはビックリさせられました。このとき、少し、雨がパラパラ降ってきました。

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 集会では雨が心配されましたが、終了まで何とか降らずに無事に開催できました。

 会場には、1,300人ほど集まり、インターネット配信では1,208人の方が参加されました。

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 12時30分に開始。司会は、優生連共同代表の小倉さんと大橋さんです。

 開会では、西村武彦共同代表(優生保護法被害弁護団)から「大阪高裁、東京高裁の勝訴を受けても国は差別、偏見は取り除かれていると言って最高裁に上告をしたことに、強い憤りを感じる。また、原告は高齢であるため、時間が残されていない。国会と司法に訴えていこう」と力強いことばがありました。

 司会から、「優生連(ゆうせいれん)」は、2022年5月10日に発足しました。22の構成団体、10人の共同代表、そして、事務局10人が中心となって活動をしています。

 理念と目的は以下の5つです。

①優生思想に基づきつくられた優生保護法問題の全面解決をめざし、障害者差別をなくすことをめざします。

②全国の関係者が手を携え、裁判の勝利をめざします。

③優生保護法問題の全面解決に向けて、優生保護法被害者・家族や弁護団と連携し、国と交渉 を行います。

④優生保護法問題や各地裁判についての意見や情報、活動の交流を行います。⑤市民社会に、広く優生保護法問題を知ってもらう活動を展開します。

 現在、賛同団体は241で、全通研も賛同団体として加盟しています。

 

 いよいよ本題です。

その1:各地の原告からのメッセージと裁判の状況(原告数)

全国各地の原告や代理や代読、またはメッセージが発表されました。

 札幌地裁(3)、仙台地裁(7)、東京地裁(2)、静岡地裁(2)、大阪地裁(5)、神戸地裁(5)、福岡地裁(3)、熊本地裁(2)、名古屋地裁(2

発表者には聴覚障害者が多く、各地で裁判が進められていることが分かりました。

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 その後、1999年の優生保護法改正後に不妊手術を強制された人と、滋賀県に対し優生保護法被害者情報公開請求訴訟の原告の京都新聞社の2人から状況報告がありました。

 

その2:連帯あいさつ

 浅野史郎氏(元宮城県知事)、尾辻かな子氏(一般社団法人LGBT情報センター代表理事)、雨宮処凛(かりん)氏(作家・活動家)の3人から挨拶がありました。

 浅野氏は宮城県知事在任中に起きた原告に対する県側の対応について、この場で謝罪をされました。また、尾辻氏はご自身のカミングアウトを通して感じたこと、雨宮氏は知的障害があるいとこが20代で亡くなったときの経験を話されました。

 

その3:来賓あいさつ

 優生保護法に関する超党派の議員連盟から福島瑞穂事務局長(参議院議員)から連帯のあいさつがありました。

 

その4:特別シンポジウム「優生保護法問題の全面解決に向けて」

 シンポジストとして5人が登壇しました。優生保護法被害弁護団から新里宏二氏と松浦恭子氏。優生連から利光恵子氏と藤原久美子氏です。コーディネーターは、藤井克徳氏です。

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 藤井氏から最大の問題点、全面解決、私たちに何ができるかの3点についてシンポジストに問いかけがあり、それぞれの立場で話されました。

 新里氏は、「不妊手術の被害者は2万5千人。その内、裁判で提訴しているのは31人。殆どが声を上げられないでいる。声を上げた人が頑張ったことを全体の被害救済に持って行くこと。声を上げられない人のために同じ被害者を救済する仕組みを作らなければならない。一時金支給法では、2万5千人の被害者のなかの1,017人しか支給されていない。この一時金支給法では、お詫びしているのかしていないのかよく分からない。こんな酷い法律、憲法に違反している法律だということをきちんと認めて謝罪することである」と訴えていました。

 松浦氏は、「最低限訴訟している原告の訴えが認められることが出発点。そして、これから続けて声を上げる被害者の被害回復及び方法・手続きが確立されること。声を上げることができない被害者を含めた全ての被害者に国は優生政策が誤っていたことを明確に認めて謝罪すること」と訴えました。

 利光氏は、「被害実態の全容を明らかにするための調査と検証が必要である。その目的は2つ。1つ目は、今も声を上げられない多くの被害者を掘り起こし、その尊厳と人権の回復に繋げること。2つ目は、二度と同じ過ちを起こさないために、国が主導し各自治体の行政が福祉・医療・教育が一体となって進めてきた強制不妊手術の仕組みや構造を明らかに検証させること」が求められている。構造を明らかにし検証させること」が求められている。

 藤原氏は、「国は責任を認め謝罪と補償をきちんとすること。最高裁に上告したことやまだ裁判をしている状況では謝罪していることになっていない。そして、何故こうなったのかが分かる資料と経緯がわかるものを、再発防止をきちんとしなければならない」と話されました。

 このあと、指定発言者として及川智(とも)氏と山本秀樹氏の優生連の2人から訴えがありました。

 

 その5:集会アピール

アピール(案)の読み上げが池澤美月氏(優生連事務局次長)からあり、参加者一同の賛同で決定しました。

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その6:閉会あいさつ

 大竹浩司氏(優生連 共同代表)から、「250の賛同団体と150団体から協賛金として434万円が集まりました。もう時間がありません。今が勝負だと思います。力を合わせて国を動かしていきましょう」との挨拶がありました。

 司会より当日の会場カンパが33万円集まったとの報告がありました。

 

 その後、登壇者を先頭にデモ行進をしました。日比谷公園西幸門より財務省、官邸前、衆参議員面会所前、国会図書館前、そしてゴールが旧永田小学校裏のコース約1.5㎞です。衆参議員面会所では議員が出迎えてくれました。

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 「時間がない。原告者5人がもう既に亡くなってしまった」のことばには胸を痛めてしまいました。私たち全通研としても優生連の賛同団体として、会員一人一人がこのことに関心を持ち、それぞれの地域で闘っていくことを期待しています。

 

                      2022年10月25日

                      全通研 会長 渡辺正夫

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