全通研Webオープンスクール
2022年7月23日(土)、今年度新企画である、全通研Webオープンスクールが開催されました。その名前のとおり、未会員の方も参加できる企画で、合わせて173名の参加がありました。
テーマは「全通研のあゆみと運動」。ちょっと難しそうな内容も、渡辺会長がわかりやすく丁寧にお話くださいました。
「全通研って何?」「どんな活動をしているの?」「どんな歴史があるの?」という、会員にとっては今更訊けないことを、
未会員の方たちには、全通研がどんな団体なのかを知ることができる、またとない機会となりました。
ある准看護婦の、耳の聞こえない患者さんのために手話を覚えたいという願いから、1967年6月に手話サークルみみずくが京都で産声をあげます。この時の「手話を学んでろう者のよき友となり、共に手をつないで差別や偏見のない社会を実現するために努力する」という目的は、今も私たちの活動の原点になっています。
その後しばらくは、手話通訳は個人の力量に任せられていましたが、手話通訳者が語り合う場所が必要だと、手話通訳者会議が開催され、
その5回目となる1972年の会議で決議文が採択され、やがて1974年の個人加盟の全国組織としての全通研発足につながります。
この時に第一号となる山口支部が結成されています。そこから十数年の時を経て、1990年までに47都道府県全てに支部が立ち上がりました。
その後、手話通訳制度確立に向けての「I Loveコミュニケーション」パンフ普及運動や「We Love コミュニケーション」パンフ運動、手話は言語とするための運動などを経て、現在456の自治体で手話言語条例が制定されています。(2022年7月11日現在)
また、2022年には「障害者情報アクセシビリティ·コミュニケーション施策推進法」が施行されました。このことによって、手話通訳が担う役割はさらに重要になっていくことと思われます。
そのような中で、手話通訳者の健康を守る運動は不可欠です。頚肩腕障害が労災認定されたことは、手話通訳を担う当事者にも健康について認知されることにもつながりました。また、今年度末までに各支部で実施している「雇用された手話通訳者の労働と健康についての実態調査」の学習会にもつながっています。
こうして全通研は、2024年には創立50周年を迎えます。鹿児島で開催されるサマーフォーラムで記念レセプションを予定しています。コロナの状況がどうなっているかわかりませんが、現地でお会いできればうれしいです。
渡辺会長の話を聞きながら、先輩方の活動の一端を知り、今の自分達はその礎の上で活動できているのだと、改めて実感することができたと同時に、身の引き締まる思いがしました。
(文/全通研理事 中島 純子)
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