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2022年3月18日 (金)

第6回全通研アカデミー~全通研学校Ⅲ~(北海道会場)

  2022(令和4)年129日(土)15時~17時、「第6回全通研アカデミー ~全通研学校Ⅲ~(北海道会場)」を開催しました。「ろう者や私達が求めてきた手話通訳像」と題して、研究誌143号の特集『明日の手話通訳を目指して』より、近藤幸一副会長にご講演いただきました。オンラインにより、全国から約180人の参加がありました。

 司会は全通研理事の吉野が、ストレッチ(休憩中に実施)は武田理事が担当しました。

1_20220318132701 講師の近藤副会長

 講演の中で、私たちは「何のために手話通訳をするのか」、ろう者は「どのような手話通訳者になってほしいか」という話がありました。

 第8回世界ろう者会議提出論文(安藤・高田論文)の中の「ろう者の権利を守る手話通訳は1つの理念である。この理念を一面的に単純化してろう者の保護者として手話通訳を理解する事があれば、それは誤りである。それは、ろう者の社会的自立、いいかえると、社会的行動の自由の獲得のための協力者であり援助者であることが正しい。行動自由の範囲の拡大こそろう者要求の本質をなすものであり、ろう者の社会的自立のための人間関係の発達、社会的整備の一里塚を示すものである」という一文が紹介されました。

 また、登録手話通訳制度の課題として、「制度運用に地域の不整合(バラツキ)」、「通訳者の孤立化」、「手話通訳の担い手不足」が挙げられました。しかし、手話通訳は手話の技術が上達したら解決するものでもなく、仲間や集団を活用し、お互い学びあう事が大切であると話がありました。

 手話通訳は対人サービス労働であり、ろう者との人間関係が大切であり、それが喜びでもあります。ろう者の心に響く手話を目指し、暮らしを支えるコミニュケーションの中心に手話がないといけないと話されました。

 最後に参加者からの質疑にも近藤副会長から丁寧に答えていただき、学習内容をさらに深めることができました。

 今回の講演を聞いて、日々の活動に追われて基本を忘れかけていることに気が付きました。自分が漠然と感じていた不安や課題が明確な言葉になって整理されていき、日頃の通訳実践を見直すきっかけをいただきました。

 目の前にいるろう者はどんな人か、この人のくらしの要求は何かを、考えながら手話通訳をしていく、きっかけになった素晴らしい講演でした。研究誌143号を再度読み直して、考えていきたいと思います。

2_20220318132701 質問された方々(一部抜粋)

                                                  (文・写真/全通研北海道ブロック理事 吉野 州正)

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022年3月 4日 (金)

第7弾WEB学習会

7弾のWEB学習会が226日(土)10時~12時に開催されました。 

 「語ろう!~手話言語条例事情、制定とその後~」をテーマに自治体業務・政策研究委員会が担当しました。参加者は北海道から沖縄まで28名。これを読んでいる方は、オンラインにしては参加者が少ないという印象を持たれるかもしれませんが、「語ろう!・・・」というテーマを考えれば、改めて他地域の情報を得て、地元を振り返るにはむしろ適当な人数だったかと、主催側としては思いました。一人一人のお顔を見て丁寧に受け答えしていく積みかさねは、オンラインでも十分にできるような可能性を得たことが収穫だったと思います。

 参加者のみなさんはどうだったでしょうか。集合して対面でのリアルもいずれできればいいのですが、オンラインの方が話しやすいという方もいらっしゃると思います。

Photo_20220304114901

 最初に、「手話通訳問題研究」158号のp41に「手話言語条例の理念をまちづくりに」を執筆した岩谷委員が、その内容を具体的な施策事例も交えながら30分の基調講演を行いました。「地域の課題は何か」、「ろうあ協会、手話サークル、全通研地域班などが具体的に意見交換すること」、「条例とは何かについての学習」、「条例検討委員会の大切さ」、「パブコメで多くの意見を出す」等、手話言語条例が制定されても絵にかいた餅にしないよう、制定前、制定作業中、制定後と大切なポイントを示していただき、研究誌の内容がより深められたのではないかと思います。

 手話言語条例に関する各地の悩みは、「条例が制定されたのに何も進まない」、「何をしたらよいのか分からない」、「もっと他の地域の取り組み状況を知りたい」、「地域の団体同士での温度差」等、それぞれだと思います。

 さぁ話し合いましょうとの呼びかけでグループワークが始まりました。5人~6人でのグループワークにて、地域の状況や課題、取り組みたいこと等を話し合いました。地域の独自のネットワークや、地域の行事等にろう者と参加する=手話通訳の現場を作る、市要望だけでなく議会へ要望、ゼロ予算での企画提案など、さまざまな意見がありました。行政との連携だけでなく、地域の中のさまざまな人や団体等とのつながりで進めていくと、どんどん広がります。一方、地域の実情というのはさまざまで、その悩みの解決はすぐにできるわけではありません。今、抱えているジレンマ、問題意識が次の一歩になるのは間違いありません。

 条例はなくても活動は同じ、考えていた条例ではなかった・・・という意見もあるかもしれませんが、手話関係者だけの一部の活動から、条例の内容は住民全体の共通言語となります。何か迷ったり、壁にぶつかったりした時は、条例の内容を再確認するという作業に戻る、その繰り返しそのものが大切ではないかと、改めて考えたセミナーでした。

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