日本障害フォーラム(JDF)学習会
10月23日(水)、12時から14時半まで、参議院議員会館の1階講堂で
日本障害フォーラム(JDF)学習会が開催されました。
当日は、秋晴れの良い天候に恵まれ、100人を超える参加者がありました。
テーマは、「旧優生保護法に関わる支援の到達点と課題~当事者の声と関係団体の取り組み~」で
司会は、原田氏(日本障害フォーラム事務局)が務めました。
最初に主催者挨拶として久松三二氏(日本障害フォーラム幹事会議長)から挨拶がありました。
先輩である中西喜久司氏が訴えていたナチス・ドイツの優生思想の書籍を取り上げ、
そのことを正しく評価してこなかったことなどの本人自身の反省が述べられました。
優生保護法の問題は過去のものではなく、現在、未来の問題であると受け止めなければならない
ことを本学習会で学んでほしいと話がありました。
来賓挨拶として国会議員からお話がありました。
続いて、特別参加として国際障害同盟のクック氏から挨拶がありました。
次に基調報告として藤井克徳氏(日本障害フォーラム副代表)からお話がありました。
「一時金支給法の評価と当面の課題~解決になお遠い優生保護法被害問題、法律の改正と裁判での勝利をめざして~」の表題そのままに未解決問題であることが最初に述べられました。
また、一時金の法律の評価として、真の人権と尊厳の回復に繋がっているか、
被害者に一時金そのものと内容がどこまで浸透しているか、
社会に蔓延する優生思想や障害者差別の払拭にどう効力を持つか、
障害関連施策の好転にどう繋がるかなどをあげていました。
これらを考えるとマイナスの評価でしかないと述べておりました。
今後は、これらの問題を調査ではなく検証することを明確にさせ、裁判に勝訴していくこと。
そして、この問題を決して繰り返してはならないことが大事であると訴えていました。
次に経過報告として新里宏二氏(弁護士/全国優生保護法被害弁護団共同代表)からお話がありました。
旧優生保護法をめぐり1997年から被害を訴え続けた仙台の方をはじめ、今では、全国7地裁、原告20人が裁判に訴えている。
仙台地裁は、違憲であるとしながらも、20年の経過により権利が消滅する排斥期間の適用を認めて請求を棄却した。
2001年5月のハンセン病訴訟熊本裁判判決においても、優生手術について
「優生手術を受けることを夫婦舎入居の用件としていた療養所があったが、これなどは事実上優生手術を強制する非人道的な取り扱いと言うほかない」と
優生手術の人権侵害性を厳しく指摘していることを述べていました。
今後、10月25日に東京地裁、来年1月20日に仙台高裁が行われるので絶大なる支援をお願いしたいと訴えていました。
各地の当事者の声として4人の方々からの訴えがありました。
司会は、藤木和子弁護士が務めました。
そして、支援者の取り組みとして、鴫原宏一朗氏(東北大学法学部・強制不妊訴訟不当判決にともに立ち向かうプロジェクト代表)から絶対に許されない裁判であると怒りを表明すると共に署名などの訴えがありました。
そして、障害者団体の取り組みとして3つの団体からお話がありました。
最初に、吉野幸代氏(全日本ろうあ連盟理事)からでした。
全日本ろうあ連盟は、旧優生保護法の調査を行い、192件の手術などの事実が判明しました。
周りからの誤った情報により本人が自己決定できず手術を受けたり、
ろう学校の一部の教育者や保護者が聞こえない夫婦の出産や子育てを禁止したりするなど
優生思想と言える考え方が常態化していたなどが考えられると訴えていました。
これらの背景として考えられることは、意思疎通がはかれず、意味が分からないまま、
分かったふりをして同意しているかのように、不妊手術を強制させられたというケースが
ほとんどであったとのお話がありました。
現在、聴覚障害者の訴訟は、兵庫2組、大阪、静岡であり、支援の輪が広がっている
との訴えがありました。
吉野氏に続いて、増田一世氏(日本障害者協議会常務理事)、
白井誠一朗氏(DPI日本会議事務局次長)から、
それぞれの団体の取り組みが話されました。
最後に、質疑応答としてフロアーから3人の訴えがありました。
そして、まとめとして、新里宏二氏から、これから年をまたいで裁判が行われる。
支援者の取り組みで発表があったが、若い人がこの裁判に怒りを感じ、共感して運動に繋がっていると話されました。
藤井克徳氏からは、この問題は何ら解決をしていない。
しかし、運動を盛り上げていくことが大切である。
裁判に影響を与えるのは、みんなが集まり声をあげることであると訴えました。
私は、旧優生保護法の問題の本質は、人権と尊厳の回復にあると考えています。
謝罪と補償が明確にされていない現状を変えるためにも、今後の裁判をみんなで参加する、
もしくは注目することなどを通して支援していくことが大切であると感じました。
(文・写真/全通研会長 渡辺 正夫)
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