« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

2019年10月29日 (火)

日本障害フォーラム(JDF)学習会

1023日(水)、12時から14時半まで、参議院議員会館の1階講堂で

日本障害フォーラム(JDF)学習会が開催されました。

当日は、秋晴れの良い天候に恵まれ、100人を超える参加者がありました。

 20191023_112918 20191023_120711  

 

テーマは、「旧優生保護法に関わる支援の到達点と課題~当事者の声と関係団体の取り組み~」で

司会は、原田氏(日本障害フォーラム事務局)が務めました。

20191023_121323

最初に主催者挨拶として久松三二氏(日本障害フォーラム幹事会議長)から挨拶がありました。

20191023_120507

先輩である中西喜久司氏が訴えていたナチス・ドイツの優生思想の書籍を取り上げ、

そのことを正しく評価してこなかったことなどの本人自身の反省が述べられました。

優生保護法の問題は過去のものではなく、現在、未来の問題であると受け止めなければならない

ことを本学習会で学んでほしいと話がありました。

 

来賓挨拶として国会議員からお話がありました。

続いて、特別参加として国際障害同盟のクック氏から挨拶がありました。

20191023_122030

次に基調報告として藤井克徳氏(日本障害フォーラム副代表)からお話がありました。

20191023_122844

「一時金支給法の評価と当面の課題~解決になお遠い優生保護法被害問題、法律の改正と裁判での勝利をめざして~」の表題そのままに未解決問題であることが最初に述べられました。

 

また、一時金の法律の評価として、真の人権と尊厳の回復に繋がっているか、

被害者に一時金そのものと内容がどこまで浸透しているか、

社会に蔓延する優生思想や障害者差別の払拭にどう効力を持つか、

障害関連施策の好転にどう繋がるかなどをあげていました。

これらを考えるとマイナスの評価でしかないと述べておりました。

 

今後は、これらの問題を調査ではなく検証することを明確にさせ、裁判に勝訴していくこと。

そして、この問題を決して繰り返してはならないことが大事であると訴えていました。

20191023_124858

次に経過報告として新里宏二氏(弁護士/全国優生保護法被害弁護団共同代表)からお話がありました。

 

旧優生保護法をめぐり1997年から被害を訴え続けた仙台の方をはじめ、今では、全国7地裁、原告20人が裁判に訴えている。

仙台地裁は、違憲であるとしながらも、20年の経過により権利が消滅する排斥期間の適用を認めて請求を棄却した。

 

2001年5月のハンセン病訴訟熊本裁判判決においても、優生手術について

「優生手術を受けることを夫婦舎入居の用件としていた療養所があったが、これなどは事実上優生手術を強制する非人道的な取り扱いと言うほかない」と

優生手術の人権侵害性を厳しく指摘していることを述べていました。

今後、10月25日に東京地裁、来年1月20日に仙台高裁が行われるので絶大なる支援をお願いしたいと訴えていました。

 

各地の当事者の声として4人の方々からの訴えがありました。

司会は、藤木和子弁護士が務めました。

 

そして、支援者の取り組みとして、鴫原宏一朗氏(東北大学法学部・強制不妊訴訟不当判決にともに立ち向かうプロジェクト代表)から絶対に許されない裁判であると怒りを表明すると共に署名などの訴えがありました。

20191023_133843

そして、障害者団体の取り組みとして3つの団体からお話がありました。

最初に、吉野幸代氏(全日本ろうあ連盟理事)からでした。

20191023_134548

全日本ろうあ連盟は、旧優生保護法の調査を行い、192件の手術などの事実が判明しました。

周りからの誤った情報により本人が自己決定できず手術を受けたり、

ろう学校の一部の教育者や保護者が聞こえない夫婦の出産や子育てを禁止したりするなど

優生思想と言える考え方が常態化していたなどが考えられると訴えていました。

 

これらの背景として考えられることは、意思疎通がはかれず、意味が分からないまま、

分かったふりをして同意しているかのように、不妊手術を強制させられたというケースが

ほとんどであったとのお話がありました。

 

現在、聴覚障害者の訴訟は、兵庫2組、大阪、静岡であり、支援の輪が広がっている

との訴えがありました。

 

 

吉野氏に続いて、増田一世氏(日本障害者協議会常務理事)、

白井誠一朗氏(DPI日本会議事務局次長)から、

それぞれの団体の取り組みが話されました。

20191023_135752 20191023_140713

最後に、質疑応答としてフロアーから3人の訴えがありました。

そして、まとめとして、新里宏二氏から、これから年をまたいで裁判が行われる。

支援者の取り組みで発表があったが、若い人がこの裁判に怒りを感じ、共感して運動に繋がっていると話されました。

 

藤井克徳氏からは、この問題は何ら解決をしていない。

しかし、運動を盛り上げていくことが大切である。

裁判に影響を与えるのは、みんなが集まり声をあげることであると訴えました。

 

私は、旧優生保護法の問題の本質は、人権と尊厳の回復にあると考えています。

謝罪と補償が明確にされていない現状を変えるためにも、今後の裁判をみんなで参加する、

もしくは注目することなどを通して支援していくことが大切であると感じました。

 

(文・写真/全通研会長 渡辺 正夫)

2019年10月17日 (木)

手話を広める知事の会

1015日(火)、衆議院第一議員会館で3つの催しが開催されました。

20191015_074156 20191015_082412

はじめに、台風19号の死者や被害に対して黙祷が行われました。

亡くなった方およびその家族に対して哀悼の意を表すると共に

被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

そして、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

 

一つ目は、鳥取、徳島両県の聴覚障がい者支援団体間の

「災害時におけるきこえない・きこえにくい人の支援連携協定」締結式です。

2会議室において、945分から1025分まで行われました。

20191015_094323

これは、自然災害をはじめとする危機事象が発生した際に、

手話通訳者の派遣等による「きこえない・きこえにくい人」の支援を行うことを目的としてはじめるもので、

その締結式が行われたのです。

20191015_094934 20191015_095305

協定を締結した団体は、公益社団法人鳥取県聴覚障害者協会、社会福祉法人徳島県社会福祉事業団、

特定非営利活動法人徳島県聴覚障害者福祉協会の3団体でした。

その立会人として、平井伸治鳥取県知事、飯泉嘉門徳島県知事のお二人が締結を見守りました。

 

この締結に当たり、平成163月に「鳥取県と徳島県との危機事象発生時相互応援協定」を締結していることを踏まえて、

今回のきこえない・きこえにくい人たちへの情報保障を提供するものです。

20191015_095557 20191015_100205

両県の知事は、この仕組みを全国に広めていきたいと決意を述べておりました。

 

二つ目は、令和元年度手話を広める知事の会総会です。

大会議室にて、1030分から12時まで、連盟加盟の団体の参加もあり、大勢の参加者の元に開催されました。

平井伸治会長(鳥取県知事)の挨拶に始まりました。

20191015_103445

全国知事会の会長であります飯泉嘉門氏(徳島県知事)より挨拶がありました。

20191015_103844

続いて来賓の挨拶として、日本財団の前田晃専務理事、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長、全国手話言語市区長会会長の星野光弘(富士見市長)より挨拶がありました。

20191015_105536 20191015_110043 20191015_110616  

大勢の国会議員の挨拶もありました。

国会議員の皆様もご自分で手話表現される方も多く見られました。

議事進行は小岩正貴副会長(長野県副理事)が担当しました。

事業報告、事業計画、役員体制が滞りなく議決されました。

 

平井伸治会長から、緊急提案として、手話を広める知事の会として、

全日本ろうあ連盟及び被災地の都道府県の聴覚障害者協会と一緒に協働して取り組む、

「台風19号の被災地の避難所への手話手話通訳者・要約筆記者等の派遣について」の緊急提案が出され、

これも満場一致で議決されました。

 

このあと、筑波技術大学の大杉豊教授の「手話言語を学ぶ」と題してのミニ講演がありました。

参加の都道府県の知事(代理を含む)と来賓の方々による記念撮影をして無事に総会を終えました。

20191015_113325

三つ目は、全日本ろうあ連盟主催で、手話言語の認知と手話言語法早期制定を求めるフォーラムが、

同じ大会議室で1時から445分まで行われました。

主催者挨拶として、全日本ろうあ連盟の長谷川芳弘副理事長から映画とデフリンピックのことの挨拶がありました。

20191015_130309

続いて来賓挨拶がありました。最初に、日本障害フォーラム副代表の藤井克徳氏、障害者権利条約推進議員連盟事務局長で衆議院議員の笹川博義氏、障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟及びデフリンピック支援ワーキングチーム事務局次長で衆議院議員の牧島かれん氏、そして、日本財団ソーシャルイノベーション本部公益事業部長の石井靖乃氏からそれぞれ挨拶がありました。

20191015_131031 20191015_131837 20191015_132013 20191015_141656

そして、4つの団体から報告がありました。

(1)特別報告「鳥取県の取り組み」鳥取県知事 平井伸治氏

(2)「連盟の取り組み」全日本ろうあ連盟理事長 石野富志三郎氏

(3)「全国手話言語市区長会の取り組み」会長富士見市長 星野光弘氏

(4)「手話言語条例と手話通訳制度について」全通研会長 渡辺正夫氏

 

私は短い時間の中、①全通研の紹介、②健康問題、③正規職員化の3つについて説明させていただきました。

また、パンフレットとろう者の権利が特集された研究誌146号も合わせて紹介させてもらいました。

知事の会にも配布させていただきました。

休憩を挟み、「ろう児の言語獲得について」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。

 

パネリストは、中澤操氏(秋田県立リハビリティション・精神医療センター副院長)、

武居渡氏(金沢大学人間社会研究域学校教育系教授)、河﨑佳子氏(神戸大学国際人間科学部教授)、

大杉豊氏(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授)の4氏でした。

そして、コーディネーターは久松三二氏(全日本ろうあ連盟事務局長)が務めました。

20191015_152230

それぞれの専門分野について分かりやすい説明がありました。

特に、大杉豊氏から「言葉のシャワーを浴びて聞こえる子どもは育つ。

それと同じように聞こえない子どもが手話言語のシャワーを浴びる環境をどう作り出すか」

が課題であると話されたことがとても印象に残りました。

 

指定発言として、全日本ろうあ連盟の小中栄一副理事長から発言がありました。

20191015_162027

そして、神奈川県福祉子どもみらい局の香川智佳子局長と

一般社団法人神奈川聴覚障害者連盟の井上良貞副理事長の2人により宣言が読み上げられました。

20191015_162914

最後に、日本手話通訳士協会の川根紀夫理事から、閉会の挨拶があり、

無事にフォーラムが終わりました。

20191015_164144

(文・写真/全通研会長 渡辺正夫)

2019年10月 9日 (水)

2019年度支部長会議

10月5日(土)~6日(日)の2日間で開催された2019年度支部長会議の報告です。

昨年度は台風の影響で開催できなかった支部長会議。

2年ぶりに支部長さん同士が顔を合わせて学習、討議等ができるということで

どの支部の支部長さんも元気に集まってくださいました。

 

会場は一昨年と同様の神戸市勤労会館。

今回は快晴の下、開催されました。

Image1_20191009142401

まず、渡辺会長のあいさつ。

昨年は開催できなかったこの支部長会議が今年度は無事開催され、皆さんと会えたことを喜び、

事例検討をしながら学び合おうというお話がありました。

Image2_20191009142601

続いて、障害者差別解消法の学習。

弁護士で全通研会員でもある藤木和子さんをお招きして

「障害者差別解消法~新時代の“共に生きる・歩む”~」という演題でお話をしていただきました。

P1000109

パワーポイントを用いながらのわかりやすいお話でした。

この法律の目的は「共生社会の実現」であり、その共生社会とは

「全ての国民が障害の有無で分け隔てられず相互に人格と個性を尊重する社会」。

単に「障害者を差別してはいけません」というだけではなく、

“共生社会の実現”という大きな目的があるんだと再認識。

そのためのプロセスの一つとして「建設的対話」があることも学びました。

また、わかりにくかった「不当な差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」についても

事例を交えてのお話で理解しやすかったと思います。

 

その後、実際あった差別事例を使ってグループ討議を行いました。

Image4_20191009142801

Image5_20191009142801Image6_20191009142801

共に生きていくためには何が必要なのか?

社会的な障壁は何なのか?

障害の有無に関わらず共に学習していくことが大事だということでした。

 

休憩時間には桐原理事の指導の下、しっかりとストレッチを行いました。

Image7_20191009142901

最後に石川理事のまとめ、伊藤事務局長より代議員会課題の報告があり1日目終了。

Image8_20191009143001Image9_20191009143001

 

1日目の夜は、神戸の南京中華街での交流会。

Image10_20191009143001Image11_20191009143001

Image12_20191009143101Image13_20191009143101Image14_20191009143101

Image15_20191009143101Image16Image17

Image18Image19Image20

おいしい料理に舌鼓を打ちながら、同じテーブルの支部長さんとの情報交換。

藤木弁護士も参加されたので直接ご挨拶をしたり・・・

アメを取り合うじゃんけんゲームや漢字ゲームで大いに盛り上がりました。

私はアメちゃんがなくなりましたが・・・

 

 

2日目は課題別グループ討議。

4つのグループに分かれ「制度」「組織」について話し合いました。

Image22Image21Image23Image24

限られた時間でしたが、活発な意見交換ができました。あっという間に午前の部終了。

もっと話がしたいという気持ちを抑え昼食に。

 

午後の部を始める前に荻島理事の指導の下、ストレッチ。

Image25

 

午後からはグループ討議の発表を行いました。

Image28Image29Image26Image27 

手話言語条例が次々と制定される中、その効果はどうなのか?ろう者の暮らしは良く変わったのか?設置通訳者の身分保障は?手話通訳者の高齢化問題の対策は?災害時の対応は?他団体との連携はどうなっているのか?などいろいろ話がありました。

全通研の組織拡大では、サークル訪問を行う活動をしているという報告もありました。

多くの課題がある中、その対策などの報告もあり、地元に持ち帰って参考にしたい事例もありました。

 

最後に近藤副会長からこのまとめのお話がありました。

Image30

近藤副会長の話を聞いて、社会情勢の変化の中、様々な課題にどう向き合っていくか?基本は学習なのかなと思いました。(個人的感想です)

 

閉会のあいさつは橋本副会長。

Image31

本当にあっという間の2日間。

 

今回の学びや情報をしっかり頭の中やバッグに詰め込んで支部長さんは地元に帰って行かれました。

今年度ももう後半。

時間の流れが年々早く感じる今日この頃。(私だけ?)一刻も無駄にできないわ!

活動よ!と思いつつ、晴れた空を見上げると神戸観光もやっぱり大事と思うのでした・・・

 

(文・写真/全通研理事 中島みゆき)

 

« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »