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2019年7月31日 (水)

JDサマーセミナー2019

725日(木)、参議院議員会館1階講堂で開催された

日本障害者協議会主催のJDサマーセミナー2019に参加してきました。

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午後1時から445分まで開催されました。

テーマは、「価値なき者の抹殺 優生思想 -私たちはどう立ち向かうか-」でした。

会場は、300人を超える人たちで熱気に包まれました。

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司会者は、日本障害者協議会(JD)の藤木和子さんと赤平守さんのお二人でした。

藤木さんは、聴覚障害のある弟さんがいます。

そして、旧優生保護法の原告の弁護団に参加しています。

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 開会あいさつは薗部英夫JD副代表から、

来賓あいさつとして唯藤節子全日本ろうあ連盟理事から挨拶がありました。

薗部副代表から黙祷のことばがあり参加者一同で黙祷をしました。

また、唯藤理事からは、共生社会で生きることの大切さを訴えていました。

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 基調講演として、藤井克徳JD代表から「強者だけの社会が理想なのか!-弱者をしめ出す社会は弱くもろい-」をテーマに約1時間お話くださいました。

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特に、津久井やまゆり園、現代版座敷牢、障害者雇用水増し問題などの看過できない事象に共通するポイントを3つ取り上げていました。

①優生思想(障害者への排除や差別、社会防衛的な考え方とも重なりながら)

②無抵抗者(標的の多くの犠牲者は知的障害者と精神障害者に集中)

③不可逆的(元の人生や状態に戻れない)

というものでした。

これまでは当面の火の粉を払うのにせいいっぱいであった。20歳を超えたら社会で応援する仕組みを作らなければならない。

これまでの個人扶養、家族扶養から抜けることができなければ一番の本質にはたどり着かない。

そのためにも経済的基盤をしっかり保障しなければならない。

貧困線といわれる収入が年間122万円以下の人は、障害者の81.6%を占める。

無年金者も多いとの指摘がありました。

サマセット・モーム氏の人間の絆で「そこそこの収入がなければ人生の半分の可能性と縁が切れる」と話されたことも印象に残りました。

また、参加者の皆さんに訴えていました。内なる差別の輪郭を崩すためには、

①集まること、②学ぶこと、③つながること、④動くこと、であると。

 

講演の最後に、美空ひばりさんの歌で「一本の鉛筆」が読み上げられました。

この一本の鉛筆は、美空ひばりさんがはじめて広島平和音楽祭に参加するため、

松山善三さんが作詞をした広島原子爆弾投下について描かれた歌です。

美空ひばりさん自身が、父が徴兵され、母が幼子4人と戦火の中をかろうじて生きながらえたことや

横浜大空襲の経験から戦争は嫌だと思うようになった気持ちを込めた歌です。

 少し長くなりますが紹介します。

 

1 あなたに 聞いてもらいたい

  あなたに 読んでもらいたい

  あなたに 歌ってもらいたい

  あなたに 信じてもらいたい

  一本の鉛筆があれば

  私はあなたの 愛を書く

  一本の鉛筆が あれば

  戦争はいやだと 私は書く

 

2 あなたに 愛をおくりたい

  あなたに 夢をおくりたい

  あなたに 春をおくりたい

  あなたに 世界をおくりたい

  一枚のザラ紙が あれば

  私は子どもが 欲しいと書く

  一枚のザラ紙が あれば

  あなたをかえしてと 私は書く

 

  一本の鉛筆が あれば

  八月六日の 朝と書く

  一本の鉛筆が あれば

  人間のいのちと 私は書く

 

基調講演のあと特別報告として、北三郎さん(優生手術被害者・家族の会共同代表)と

佐藤路子さん(仙台の優生被害訴訟原告第1号のお義姉さん)お二人から報告がありました。

 

仙台地裁での判決は、国内では性と生殖に関する権利をめぐる法的議論の蓄積が少なく、

旧法をめぐる司法判断もなかったとして、国会の不作為が違法とまでは言えない。

また、20年で請求権が消滅すると規定した民法の除斥期間は合理的であり憲法に違反していないと判断されてしまった。

ハンセン病の熊本裁判の結果、国は控訴せず謝罪をした。

こちらの裁判にも良い影響があると良い。

宮城高裁に訴える準備をしているとのことでした。

 

 休憩後、「マスコミ討論会」と題して5人のパネリストによる討論会が行われました。

上東麻子さん(毎日新聞)、宮城良平さん(共同通信)、出口有紀さん(中日新聞)、

森本美紀さん(朝日新聞)、渡辺由裕さん(NHK)の5人でした。

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 コーディネーターは増田一世JD常務理事、助言者として藤井克徳JD代表が務めました。

 ジャナリストの5人は、津久井やまゆり園、旧優生保護法、ナチス時代の断種法、

障害者大量解雇問題、Eテレ「ハートネットTV」などの体験を通して、

福祉や障害者問題を取材している立場からそれぞれの思いや視点を語ってくれました。

最後に藤井克徳JD代表から、「太平洋を思い描いてください」と聴衆に投げかけました。

表面の水は流れ動いているが300メートル下の水は流れず。

つまり、表面的には変わっているけれど、下の部分は何も変わっていない。

つまり本質は何も変わっていないのです。

変わっていない本質にどう向き合うのか、どう取り組んでいくのかを考えなければならないと問いかけまとめてしました。

 指定発言として、尾野さんと田中さんから発言がありました。

そして、成田さんから、力強いJDサマーセミナー2019アピール(案)が読み上げられ、参加者一同の大きな拍手で採択されました。

増田一世JD常務理事より、5人の議員秘書の参加の報告があり閉会しました。

 

 私たち全通研と共通することとして、

①集まること、②学ぶこと、③つながること、④動くこと、

これをもう一度考えさせられたとても貴重な一日でした。

ありがとうございました。

 

(文・写真/全通研会長 渡辺正夫)

 

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