第38回きょうされん全国大会
第38回きょうされん全国大会が、10月9、10日の2日間にわたって兵庫県の神戸国際展示場・神戸国際会議場・神戸商工会議所の各会場で開かれました。今年は阪神淡路大震災20年と戦後70年という節目の大会で、迎えてくれた実行委員さんたちの黄色いTシャツの胸には、大きなハートと「20」の数字が元気いっぱい描かれていました。
参加者は2,500人で、要員スタッフは700人という規模の大会です。私は初日のオープニングセレモニーとそれに続くステージ企画に参加しました。会場ロビーは共同作業所や関連施設などがずらっとお店を出していて、買い手も売り手もニコニコ!
オープニングは太鼓の演奏です。10台以上の太鼓が舞台に並んでいます。エネルギーいっぱいの演奏を写真に!と思っていたら、「写真撮影はご遠慮ください」のアナウンス。フラッシュがあちこちでたかれるとまぶしいんだろうなぁ。でも、ちょっと残念。障害がある仲間たちの生き生きと、心を一つにした喜びあふれる演奏をイメージしてくださいね。
あいさつと来賓紹介に続いて、きょうされん専務理事の藤井克徳さんの基調報告です。ご覧になった方も多いと思いますが、9月に3回にわたってハートネットTV「シリーズ戦後70年 障害者と戦争 ナチスから迫害された障害者たち」が放映されました。これは藤井さんがドイツを視察したドキュメンタリーですが、障害者を「価値なき命」と決め抹殺したナチスのT4作戦の話から始まりました。それはナチス本部の建物のすぐそばで行われていた。つまり、ナチスドイツの中心的な戦略として行われたということです。人の命を救う医師が「自発的」に関わっていたことの恐ろしさを感じます。戦争は人を人でなくすのですね。
すべての事柄は始まりがある。そして、その前触れとしての「きざし」の段階で予想して止めること。その「きざし」を一番敏感に感じるのは障害者であるということです。
阪神淡路大震災から20年経ちましたが、東日本大震災での障害者の死亡率が健常者の2~2.5倍ということ、そして社会保障の根幹である障害者の生活保護受給率は、障害のない人の6倍以上であること。つまり、災害の時に突然障害者問題が出てきたわけではなく、日常のそこここに課題が潜んでいることがポイントだと話されました。
最後に、学ぶことと広げること。主体的な力を私たち自身がつけること。さまざまな問題を自分の言葉で考えること。これまでの運動の実践を確かめること。実践だけが独立してあるのではなく、日常の活動の上に本物の実践があるという話で締めくくられました。
「一人ひとりを大切に」「運動はみんなで」という言葉をしっかり受け止め、「本物って何だろう」と考えなければと思いました。
帰りに、きょうされん全国大会協賛グッズの「防災 大判ハンカチ」を買いました。14種類の緊急時の使い方がイラストで描かれています。外出時の友が増えました。
(文・写真/全通研理事 梅本悦子)
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