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2015年4月17日 (金)

障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ(第9回)

 4月15日(水)、東京都千代田区にある厚生労働省の17階の会議室で
「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ(第9回)」が開催されました。
 これは、障害者総合支援法の附則3条にあった3年後の見直しに係る論点整理の最終の協議の場でした。
 
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 7人の委員は全て出席し、3時の定刻に協議が始まりました。
 これまでの議論を踏まえ「障害福祉サービスの在り方等について 論点の整理(案)」が資料として出され、
企画課課長補佐から要点の説明がありました。それを受け、各員から質疑応答が行われました。
 
 
特に印象に残ったことについて記述します。
 
一つ目は、「障害者の意思決定支援・成年後見人制度の利用促進の在り方について」に対する意見でした。
この制度は障害者権利条約から見て明らかに相反する制度であり促進にはあたらないとするとの意見が出されました。
 権利を擁護する面もあるが、逆にその他の権利を奪ってしまうという側面を持ち合わせた制度であるとの認識から
意見が出されました。他の委員からも賛成する意見も出されました。
 
 
二つ目は、「手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに
支障がある障害者等に対する支援の在り方について」に対する意見で、意思疎通支援の面だけでなく
その人の生活全般への支援が必要であること。
また、福祉分野だけでなく、医療、教育、労働などあらゆる分野での支援が必要であるとの意見が出されました。
 まさに私たちが求めている福祉分野だけでなく生活全般にかかわる分野での意思疎通支援が求めているとの立場と
一致する意見が出されて良かったと感じました。
 
 
三つ目は、協議が終わってからワーキンググループの会議が最終ということで委員一人一人から感想が述べられました。
その中で、「この議論の大切な視点は、今回行った各団体のヒアリングと障害者権利条約である。
障害者権利条約は道標である。障害者が充実して生活ができることを考えていくためにも、
障害者権利条約と骨格提言を基に今後議論してほしい。」
と意見が出されました。このことは決して忘れてはいけないことであると再度、確認することができました。
 
さて、このワーキンググループは、第9回をもって終了となりました。
このグループの目的はあくまでも論点の整理でした。
本格的には4月下旬に開催される社会保障審議会障害者部会になる訳です。
場を移して議論することになった訳です。
いよいよ「施行後3年見直し」が重要な局面を迎えることになりました。
障害者福祉やその他の分野で障害者が安心して充実した生活ができるようにするために、
障害者総合支援法の改正をしていかなければなりません。
 
聴覚障害者の暮らしの中でコミュニケーションの課題は重要です。
コミュニケーションを支える手話通訳者を正規職員として制度化することが、手話通訳という面だけでなく、
最も大切な聴覚障害者の自立した生活全般を支えることに繋がります。4月下旬に障害者部会が始まります 。
この部会でも何回かのヒアリングが行われ、12月頃までにはまとめ上げ、2016年1月の国会に上程し、
4月から改正した総合支援法がスタートするという工程が考えられます。
今後行われる障害者部会をさらに注視していくことを皆さんに訴えて報告とさせていただきます。
 
 
 
追伸
私は長く関東に住んでいながら厚生労働省のある位置をいまいち把握していませんでした。
どうも、私は位置関係については、面ではなく点で捉えているところがあります。
最近、会議等で国会議事堂にもよく行くのですが、この厚生労働省とどのような位置になっているのか
良くわかっていないのが現状です。方向音痴をいうことも関係しているのでしょうか。
会議が終わって厚生労働省を出ましたら、日比谷公園と表示がありました。
 
「何、日比谷公園はJR有楽町駅に近い。何だ、日比谷公園の裏に厚生労働省があったのか。」
と今頃になってやっと気づきました。
これも勉強です。でも、恥ずかしい。
 
 
(文・写真/全通研副会長 渡辺正夫)

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