第2回 防災対策会議
11月1日(土)、2日(日)の2日間、郡山市で第2回防災対策会議が開催されました。
昨年の3月に第1回の会議が神戸で開かれたのに続いての会議でした。
この会議は2年に1回、開催される予定となっています。
初日は、今年の8月に開催された全国手話通訳問題研究集会inふくしまの開会式が
行われた同じ会場である郡山市民文化センターで開かれました。
全体会では、聴覚障害者災害救援中央本部の石野富志三郎運営委員長の挨拶並びに
基調報告がありました。
続いて、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課 自立支援振興室 情報支援専門官の
鈴木敏弘氏からご挨拶を頂戴しました。
また、今回の目玉である講演がありました。「原子力発電所と災害~福島で暮らして」というテーマで
漫画家の山本おさむ氏からお話がありました。
3.11の当日、山本氏は埼玉県の事務所にて、奥様は福島県の天栄村で愛犬と一緒に
地震にあわれたとのことでした。12日、東電の原子力発電の水素爆発が起き、奥様と愛犬は
その日の夜に埼玉に移動しました。
山本氏はこれまで放射能のことについて、全く無関心であり無知であったことを思い知らされたと
話していました。知らないではすまされないということで放射能について調べ尽くしたそうです。
当時に、放射能に関する話も一生懸命聞いていました。わかったことは、それぞれの主張する
立場によって見方や考え方が違うということでした。
また、天栄村の自宅の放射能値を自分で測定器を購入し、計っていました。
雨樋の値はやはり想像していたように数値が高く出たそうです。
これらの経験から、放射能に対しての知識をもつために情報を集めること、その情報をもとに
自分で考え今後どうするのかを選択することが大切だと話されました。
福島県を放射能恐怖のスケープゴートにしないことが重要だとも訴えていました。
次はパネルディスカッションでした。
司会は石川芳郎副運営委員長が務めました。
岩手、宮城、福島の代表者から発表がありました。
そして、中央本部から小出真一郎氏から地域防災学習会や訪問調査をとおして見えてくる
課題についての発表がありました。
このパネルの最後に、御嶽山の爆発で聴覚障害者の2人が死亡、行方不明になっていることについて、
「マスコミ対策が実は大変重要である」と参加者より話がありました。
家族が何も発表していないにも関わらず、大勢のマスコミ各社が聴覚障害者や手話通訳者宅を
訪れコメントをとりに来たそうです。
1時間の休憩を挟んで、「東日本大震災支援」と「地域災害支援」の2つの分科会に別れて
2時間ほどの協議をして1日目が終わりました。
2日目は、会場を郡山駅近くの郡山ビックアイ・7階市民交流プラザで、昨夜に引き続いて、2つの分科会が2時間ほど開催されました。
そして、全体会がありました。2つの分科会の報告があり、質疑応答がありました。
特に災害が発生したときに避難所の運営、手話通訳者の派遣などに係る費用は
どうなるのかと言った質問が多く出されました。
政府として負担する範囲は激甚災害指定となった場合であり、その他、日常的には
「地域生活支援事業実施要綱」の中にある「自発的活動支援事業」があり、補助制度が
あることが示されました。
久松事務局長から総括があり、命を守る行動は会員、非会員を問わない取り組みが
必要であり、自身のモットーである
「One for all,all for one」(みんなは一人のために、一人はみんなのために)を大切に
活動しようと話されました。
最後の閉会式で小椋英子副運営委員長より「地元で先ず実践することが大切だ」と挨拶があり、
無事に2日間の予定を全て終了し、散会しました。
(文・写真 渡辺正夫 副会長)
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