第32回全国要約筆記問題研究集会 in 石川
6月21日(土)に白山市(石川県)で開催された
第32回全国要約筆記問題研究集会 in 石川(北信越)の開会式に
全通研から会長代理で出席した。
兵庫県の自宅から白山市まで行くルートを調べてみると、
13時の式典(12時半集合)に間に合うためには、
平日の出勤よりも早く家を出ないといけないことがわかった(う~)。
7時半前に自宅出発。
大阪9時12分発のサンダーバードに乗り込む。
会場最寄りの松任(まっとう)駅到着が12時過ぎなので
大阪駅で購入した駅弁を11時過ぎにいただく。

松任駅の駅舎はモダンだが駅周辺の人通りは多くなく、
こじんまりとした印象だった。


会場の松任文化会館
駅から徒歩3分の会場の受付でばったりと全日ろう連の小中副理事長と会う。
小中氏は、式典出席と合わせて、あすの分科会の講師でもあるという話を聞き、
「おつかれさま」である。
来賓控室で、地元当事者組織代表(代理)の北野さんから
「石川県では全市町議会で手話言語法制定の意見書が採択された」
という話を聞いて感銘を受ける。
そういえば白山市の議員が手話言語法に強い関心を持っているという話を
以前に聞いていた。
きっと北野ネットワークがフル稼働したのだろうなあ。
意見書採択の影響かどうか、地元白山市からは市長本人が出席。
名刺交換のときに「白山市で手話通訳を担当している職員も全通研の会員です」と
すかさず売り込む。
何でも白山市は合併後に名前のとおり白山まで市域になったそうで、
石川県でいちばん広いとか。
うーん、手話通訳者はたいへんでしょうね。
開会式は30分で終了。
これで私の役割は終了なのだが、その後の記念講演がテーマ
「障害者権利条約批准後の課題」で講師は長瀬修氏(権利条約の仮訳者の一人)
というおいしい組み合わせなので、最新情報が聞けるかな、という期待から残って聞く。

講演の中から私が個人的に印象に残ったところを紹介すると…、
◯条約批准国(批准国は現在147! 日本は141番目)だけが参加できる
「締約国会議」が2008年から年1回開催されている。
この会議では要約筆記(英語)は義務付けられているが手話通訳は任意。
講師の推測では手話通訳の使用言語が絞れないから?
なお、要約筆記の義務付けは2011年からで当初はついていなかった。
◯各国での条約の実施状況を年2回審査する「権利委員会」の委員は
障害当事者が多く入っているがまだろう者は入っていない。
知的障害者も入っていないが2016年度に向けて立候補している。
知的障害者に加えてろう者が入ったら情報保障が劇的に変わると思うので期待したい。
日本政府は日本からもメンバーを出したいと言っているので
できれば日本のろう者が出てほしい。
◯権利委員会の審査方法は、国の報告とその国の障害者団体の報告の
突き合わせによる質疑応答がベース。審査待ちの国は現在45。
日本の審査は当分先(2019年?)になる。
◯障害者権利条約第2条に「筆記」が入ったのは全難聴の力が大きかった。
◯「合理的配慮」のはじまりは米国の「公民権法」。人種差別の施策としてがスタート。
公民権法の中で障害者を扱うことは米国内の専門家が否定的だったので
「リハビリテーション法」「ADA」と制定することになった。

開会式の手話通訳を担当した地元自治体職員と喫茶店で懇談

買いたかった加賀棒茶。
松任駅には茶葉がなく泣く泣く?ボトルで辛抱しました。
(文・写真 伊藤正 事務局長)
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