高松裁判:第3回弁論期日の傍聴に行ってきました
2013年12月9日(火)、高松市手話通訳市外派遣拒否裁判の
第3回弁論期日を傍聴するために、高松地方裁判所へ行ってきました。
第3回弁論期日を傍聴するために、高松地方裁判所へ行ってきました。
地方裁判所の6階へ上がると「第(だい)1号(ごう)法廷(ほうてい)はこちら→」と書かれた紙が壁に掲示してありました。
13:00に法廷に集合。開場の14:00まで待機です。
定員63名の部屋で、今回は、傍聴希望者が多い場合は抽選ではなく先着順で入場とのことでしたが、50名程度の参加で、希望者は全員入室できました。
開場30分前にPC要約筆記の機材が運び込まれ、設営が始まりました。
開場5分前に、改めて法廷前に一列に並ぶよう裁判所職員から指示がありました。
ここでも口頭での指示だけではなく隣に「傍聴希望者(ぼうちょうきぼうしゃ)は、ここから一列(いちれつ)に並(なら)んでください」と書かれたパネルを持った人が居たり、
「最後尾(さいこうび)はここ」と書かれたパネルを持った人が居たりと、視覚から得られる情報がありました。
ここでも口頭での指示だけではなく隣に「傍聴希望者(ぼうちょうきぼうしゃ)は、ここから一列(いちれつ)に並(なら)んでください」と書かれたパネルを持った人が居たり、
「最後尾(さいこうび)はここ」と書かれたパネルを持った人が居たりと、視覚から得られる情報がありました。
傍聴席のうち12席が磁気ループ用、車椅子の方も入れるように固定席を一部取り外してありました。
左側の壁には、PC要約筆記用と、原告側が意見陳述する際に放映するDVD用に、画面が映し出されていました(スクリーンの設置ではなく、壁への放映で代用)。
開廷前に、ループ席と傍聴席用の手話通訳者にマイク音声が届いているかどうかのチェック、壁に映し出された画面を見やすくするための照明の調整など、傍聴者にきちんと情報が提供できるように事前調整がなされていました。
あとで弁護団の方にお聞きすると、一年かけて裁判所と情報保障のあり方を協議してきた結果、このような配慮がなされることにつながったそうです。
さて、開廷です。
今回は、原告側から下記4つの証拠書類(準備書面)が提出されました。
(1)高松市役所の主張に対する反論
(2)専門学校のオープンキャンパスでの説明会、手話通訳派遣が認められた場合と認められなかった場合の、池川さんが得られる情報の差を示すDVD
(3)青柳幸一氏(明治大学法科大学院教授)による意見書
(4)高松市の手話通訳派遣事業の実態に対する反論
(2)のDVDは、池川さんと娘さんが出演した、再現DVDです。
手話通訳派遣が認められ説明会に手話通訳がついた場合と、
認められず手話通訳がつかなかった場合の様子を再現したものです。
手話通訳がいれば、池川さんは手話通訳を通して説明されていることが分かりますし
疑問があれば質問ができます。
手話通訳がつかなければ、娘さんに「今なにを話しているのか」を尋ねたり筆談をお願いすることになり、こうすると、娘さんは池川さんに情報を伝えることに気を取られ
自分自身が説明を十分聞く状況にならない…との説明がありました。
上記について原告側から意見陳述とDVD放映がありましたが、被告側からはその場での反論等はありませんでした。
次回の弁論期日は2014年4月21日(月)14:30~
原告側、被告側の双方の事前協議は2014年1月20日(月)13:30~ ※傍聴不可
これら日程を確認し、15:25に閉廷しました。
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16:00からは、高松地方裁判所すぐ近くの「高松センタービル」の最上階にある大ホールで記者会見です。
6社の報道機関が来られていました。
裁判中にDVDを放映したことについて、「裁判ではよくあることなのか?」と質問があり
弁護団から「かなり珍しいケース」との回答がありました。
また、再現DVD撮影に要したスタッフ数や日数についての質問があり
考える会メンバーから「撮影スタッフ5名、出演者等40名程度。撮影は半日で行った」との回答がありました。
次に、池川さんから今回の弁論期日を終えての感想が
「第1回、2回と比べると、裁判に対しての皆さんの興味が薄れているように感じている。
法律的なことは理解が難しい部分もあるので、皆さんとともに、学び合い、深められたいいと思う」と述べられました。
次に、田門弁護士から、
「今回の裁判は、国家賠償請求訴訟。
役所の違法性を追求する裁判なので、他の事例でも、なかなか役所は認めようとしない状況がある。
これからも引き続き闘っていきましょう」との言葉があり、記者会見が終了しました。
その後、同じ会場で16:30から報告集会が行われました。
考える会代表の近藤龍治さんからの挨拶の後、
聴覚障害者制度改革推進中央本部の構成団体からの挨拶ということで
全日本ろうあ連盟理事の倉野直紀さん、日本手話通訳士協会副会長の鈴木唯美さんの挨拶があり、
その後、全通研として矢口から 「情報」は生活に密着しているものであり、情報を得て、自分で判断をしていくことが生活の中で必要になってくること、
障害者権利条約の批准が国会で承認されたけれど、諸手を上げて賛成できるわけではなく国内法の整備は不十分であり、これからも取り組みが必要であること
を、挨拶で発言しました。
挨拶の後は、弁護団からそれぞれ担当された準備書面についての説明があり
また、弁護団の藤木和子弁護士から鳥取県で手話言語条例が成立されたこと、
AKB48「恋するフォーチュンクッキー」動画(鳥取県バージョン)が紹介されました。
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