« 2013年度代議員会が終了しました | トップページ | 【東海ブロック組織担当者会議 その2~小山理事ごめんなさい!!】 »

2013年5月30日 (木)

衆議院内閣委員会傍聴

 関東地方にも梅雨入りが宣言された2013年5月29日(水)に、障害者差別解消法案についての採決が内閣委員会において行われるとのJDからの情報により、渡辺がこの委員会の傍聴に参加してきました。
 JDの呼びかけで、たくさんの障害者(車いす、視覚障害者等)が傍聴しました。
 集合は8時45分に衆議院第一別館でした。私が会場に着いたのが8時半。障害者総合支援法反対のため、昨年、私は参議院の国会前で街頭集会に参加していたので、そこで、顔見知りになった方がいましたので、安心しました。

公明党輿水恵一議員の紹介で、傍聴券をJDがあらかじめ用意してくれていました。用紙には、「内閣委員会傍聴券 衆議院」と書かれてあり、傍聴人である自分の名前と年齢を記入して、衛視に紙を渡して中に入ることができました。中に入る前には携帯電話はもちろんのこと全ての荷物はロッカーに入れなければなりません。筆記用具だけを持っていきました。傍聴する内閣委員会は、いったん、地下1階に行き、迷路のような廊下をかなり遠くまで通り、エレベーターで3階まで行きました。「15会議室」が、内閣委員会の行われる会場でした。

 部屋には、両脇の壁に取り付けられたテレビカメラ、正面には委員長席、それをUの字型にテーブルが設置され、約40人の委員席があります。委員長席に向かって右側は大臣や政府関係者の席があり、左側には議会事務局の職員が6人ほど座っていました。そして、傍聴席は、4人掛けのテーブルが5つ、2列になって座るようになっていました。傍聴席の一番前は、政党機関紙席でした。壁には、肖像画が貼られていました。津島雄二元厚生大臣だったと思いますが、貼られていました。知っている顔はこの人くらいでした。

 9時少し過ぎて委員会が開会されました。
 質問者は、6人でした。トップバッターは高木美智代議員(公明党)でした。30分間の持ち時間いっぱいを使って質問していました。次は、中根康浩議員(民主党)45分、杉田水脈議員(日本維新の会)45分、大熊利昭議員(みんなの党)30分、村上史好議員(生活の党)15分、最後は赤嶺政賢議員(日本共産党)15分でした。最初は、質問者も答弁者も声が小さく聞きづらかったのですが、2番バッターから合理的な配慮?ということで声が大きくなりました。

 質疑の中で重要であると感じたことを記します。
1 差別禁止法が差別解消法になった理由は。
 障害者基本法の第4条を具体化したのが本法律案である。差別を禁止するとともに実効的にすすめるために基本方針、基本指針、ガイドラインを作成する。また、紛争を解決するために地域協議会を設置する。これらを通して差別のない社会を実現するため、解消という名称にした。

2 批准に向けて。
国内法の整備が進まないと批准はできないとの考えから、これまで改正障害者基本法、総合支援法を成立させてきた。あと、今国会で雇用促進法改正とこの差別解消法を成立させることで一定の国内法の整備ができたと考えている。

3 差別解消法の施行が3年後になっているが、その理由は。
 基本方針、基本指針、ガイドラインなどを作成する必要があること。また、円滑に行えるよう広く国民に周知させていくことが必要なため、3年後の平成28年4月1日施行とした。また、その3年後に見直しを行うとこととした。

4 意思を自分で表明できない人たちのことも考えてほしい。
 知的障害者や重度障害者は自ら意思を表明できないことから、家族であったり支援者であったりする人から意見を聴取してく。

5 地域協議会の設置は。
 各自治体で地域協議会を設置してもらうよう、働きかけをしていく。当事者で解決できないとときに協議する場として位置づけている。職員の確保、窓口の設置を考えている。身近なところで相談ができることが大事。予算を確保していきたい。

6 この法案と地方で条例化しているものとの関係は。
 それぞれ地域にあった条例を制定していくことは大事である。よって地方を拘束するものではない。

 また、裁判所の質問を受けての回答に「聴覚障害者が当事者の場合、手話通訳や要約筆記で手続きをしていく。傍聴席も車いすが入れるよう固定のいすを外すなど配慮をしている」とあった後に、「その費用は誰がもつのか」との質問が出て「今後、検討する」との答弁がありました。
 まだ、答弁は不十分なものでしたが、高松裁判の影響があるなと感じたところでした。
 12時10分、差別解消法案の採決がされ、37人の全員が起立賛成をして可決されました。また、田中良生議員(自民党)ら6人による付帯決議案が提出されました。田中議員が決議案を全文読み上げました。これも全員起立賛成で可決されました。
 今後は、衆議院本会議を経て参議院の方に審議が移ることになります。今国会でも成立が可能となりました。
 歴史的な瞬間を障害者と共に立ち会えたことを記憶にとどめておきたいと思いました。

(一般社団法人全国手話通訳問題研究会 理事 渡辺正夫)

|

« 2013年度代議員会が終了しました | トップページ | 【東海ブロック組織担当者会議 その2~小山理事ごめんなさい!!】 »

全通研理事・事務局員の出張」カテゴリの記事