「第35回きょうされん全国大会inふくい」
2012年9月29、30日の2日間、福井市で第35回きょうされん全国大会が開催され、
1,800人が参加しました。
29日にフェニックス・プラザで行われた開会式に参加し、
基調報告と記念講演を聞いてきました。
30日は、分科会や特別企画が予定されています。
福井駅でサンダーバードを降り、駅構内を見渡すと
案内プラカードを持った高校生たちがいました。
教えてもらったえちぜん鉄道に乗り、会場の田原駅で降りたら、
また歓迎の高校生たち。
フェニックスの彫像があるフェニックス・プラザでも
たくさんの青いキャップが目につきます。
今回の大会に、総勢700人を超える北陸高等学校と
仁愛女子高等学校の生徒たちがボランティアとして、
いろいろな場面で活躍していました。
若い彼女たちがこの大会を手伝い障害がある人たちと直接かかわることで、
障害とは何かを肌で感じたり、認識を深めてくれるといいなあと思いました。
(写真 会場内でも…ブログに載せると言ってあります)
12時半からの開会式に先立って、仲間たちのオープニングの大合唱です。
るんびに保育園の子どもたちと一緒に、大きな声で生き生きとうたっていました。
また、実行委員長のあいさつで、「この大会が決まって会場下見をした時、
バリアがいっぱいあることに気づいた。会館、福井市、福井県に要望し、
可動式のスロープと車いす用トイレを設置してもらった。
大会を開催することで、少しでも障害者が暮らしやすくなることを願っている」と
おっしゃっていました。
基調報告はきょうされんの藤井克徳常任理事です。
数字を出して、何の数字かを解説されました。
① 2倍…東日本大震災の被災3県での死亡率が、健常者と比べて
障害者は2倍でした。これは天災と人災が相まってもたらしたもの。
② プラス4年…今年7月30日に出された大阪地裁での判決です。
「アスペルガー症候群という障害の受け皿がない。
許される限り長期間刑務所に収容することが、社会秩序の維持にも資する」(判決文より抜粋)と、
社会的責任を障害者個人に負わせた判決。
③ 4.3%…結婚している、またはしたことがある障害者の率です。
一般人は男性80%、女性90%と言われる結婚。
人間として当たり前の暮らしの最後の砦のような気がします。
④ 98.9%…年収200万円以下のワーキングプアの障害者の率です。
これは障害基礎年金と賃金を合わせたもの。自立なんかできるはずもない。
⑤9.9%…生活保護受給率。
障害のない人は1.5%で、障害者は6倍以上です。
国連の障害者権利条約では、新しい権利は一言も書いていない。
障害がない一般市民との平等性だけをうたっているこの条約批准を念頭に置いた
新しい法律「ポスト自立支援法」は、結局中身を継続したものになってしまいました。
でも、藤井さんは「延長戦に入った」と言います。
あきらめない運動の大切さを改めて感じました。
記念講演は作曲家の池辺晋一郎さんです。
ご自身の生い立ちや、知的障害児の詩集との出会いから
人生観が変わったことなど話されました。
人間の価値を測る物差しは1つではない。
いろいろな面から複眼で見るということで、講演のテーマは「とんぼの眼のように」。
最後に、この日のために練習を重ねてきたという、
福井の各地から集まった合唱団による「フィンランディア」の合唱。
「未来を危うくするようなことに確かな目をもつことができるように」という祈りが込められています。
(全通研理事 梅本悦子)
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