12/10/21 宮城支部特別講座
2011年3月に起こった東日本大震災。
全通研は、「東日本大震災聴覚障害者救援中央本部」の手話通訳担当として、
全国の手話通訳者等を被災地に派遣する調整業務を行いました。
今回、宮城支部からは、普段の全通研事務所の様子や仕事内容、
そして、震災時の手話通訳者等派遣調整についてのお話しを、とご依頼いただき
10月21日(日)に、宮城県柴田町にある「槻木生涯学習センター」へ行ってきました。
朝、伊丹空港から飛行機に乗り、仙台空港に着いたのが9:30頃。
宮澤支部長はじめ、支部の方々に車でお出迎えいただき会場までご一緒しました。
震災発生時、事務所のテレビで現地の様子を見ていましたが
仙台空港が津波に呑み込まれたのを目の当たりにしていましたので
完全復旧した仙台空港に到着したときは感慨深いものがありました。
講演会場に行く前に、閖上地区に連れて行っていただきました。
昨年8月にも訪れているのですが、
土台だけ残った土地に草が生えている様子は変わっていませんでした。
閖上地区は、この秋から区画整理事業が始まるそうです。
▼閖上地区(海岸線付近)の様子
さて。講演前に、お昼ごはん。
震災前に閖上地区で営業していた店舗が集まり、仮設で営業を再開(閖上さいかい市場)したのですが
この市場の「浜や」さんで、鮭はらこ丼をいただきました。
食事のあと、会場に向かう間に、懐かしいホテルをいくつか発見しました。
それは、手話通訳者等の派遣調整の際に、
県外からの手話通訳者が宿泊したホテルです。
当時、現地で泊まれる施設に限りがあり、派遣が決定したにも関わらず
なかなか宿が見つからないこともあり、苦労をしたのでした。
(派遣先から車で2時間もかかるところに泊まる方もいらっしゃいました)
この日は、宮城支部の「特別手話講座2012」。
手話通訳の技術など手話に特化したことだけではなく、より幅広い内容を学ぼう
そして、年に1回、宮城のメンバーが一堂に会そう、という思いで
長年続けてこられている講座です。
2つの講演で構成されるのが通常のようですが
今回は、私の講演の後、「交流会:震災を語りあう」という企画がありました。
講演のテーマは「全通研事務所ってどんなところ ~毎日の仕事から震災対応まで~」。
前半は、自分が全通研事務所に就職したきっかけや、趣味の話も交えながら
全通研が行っている事業や、それぞれの部局の話、
就職してから4年間担当していた研究誌についてなどをお話ししました。
後半は、震災時の手話通訳者等派遣調整について。
震災が起きてからの東日本大震災聴覚障害者救援中央本部の動きや
3月30日付けの厚生労働省事務連絡文書による手話通訳者等派遣調整業務、
被災地での派遣手話通訳者の業務、派遣調整を通じて見えてきた課題などについて
話をしました。
2011年度末に完成した「手話通訳等派遣調整マニュアル」や
2011年度・2012年度に被災3県で実施した「手話通訳者の健康相談」、
2012年度に独立行政法人福祉医療機構から助成を受けて実施している
「被災地における手話通訳者の養成講座」につながっていったことなどにも触れました。
皆さん、とても熱心に話を聞いてくださり
また今後、宮城県内で手話通訳者の設置などに向けて
どのように取り組んで行ったら良いか、など
講演後も意見を交わしました。
講演後は、ストレッチのあとに6つのグループに分かれて
交流会「震災を語り合う」がありました。
私も、グループの一つに混ぜていただきました。
今年度宮城支部では、震災記録集作成のためのプロジェクトが進められています。
宮城支部の会員お一人お一人にアンケートのお願いもされているそうですが
この場で生の声を聞きたい、とプロジェクト担当の方が記録を取りつつ
参加者の皆さんが自由に発言されていました。
震災時を思い起こす時間ともなりましたが
参加された皆さんの表情が柔らかだったことが、印象的でした。
宮城支部の皆さま、参加された皆さま、お世話になりました。
(一般社団法人全国手話通訳問題研究会職員 矢口奈都子)
| 固定リンク
「全通研理事・事務局員の講師活動」カテゴリの記事
- 兵庫支部研修会(2018.11.29)
- 島根支部の創立30周年記念式典・祝賀会(2018.11.28)
- 東北ブロック組織担当者会議2018(2018.09.03)
- 2018年度ブロック別組織担当者会議 北信越ブロック(2018.07.24)
- 東海ブロック組織担当者会議2018(2018.07.10)
最近のコメント