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2012年6月21日 (木)

6/20 緊急行動Ver. 5(その2;参議院本会議 傍聴編)

午後2時半に、議員面会室前で傍聴する人たちが集まりました。いつも路上集会をしている目の前は、国会議事堂の裏にあたります。路上集会をしていると、小学生の社会科見学の児童をよく見かけました。その入り口に集合したのは100人ぐらいでしょうか。
聴覚障害者関係では、吉原孝治理事、埼玉の大内さんの2人、連盟の職員4人、午前中通訳をしてくれた座間さん、渡辺の8人で傍聴しました。

私は国会議事堂の中に入るのは、先ほど紹介しましたが、小学校の社会科見学で拝見して以来のことでした。そのため、見るものすべてが目からうろこでした。
まず、びっくりしたのが田村智子議員の秘書が、私たち団体の傍聴に対する補助をしてくれました。その秘書の方は、簡単な手話が使えます。何で手話ができる人が国会の受付にいるのかと最初は不思議に思いました。でも、よくよく聞いてみると、秘書の方だと紹介されてやっと理解できました。
それから衛視の方々も手話をやれるのです。検査所のところでも、傍聴席に入る前で説明があるのですが、そのときも衛視の方が手話をしてくれました。お恥ずかしい話ですが、はじめ「衛視」という言葉も出てきませんでした。
とりあえず手話がここまで広がっているのだということを実感しました。


傍聴するためには3つの方法があると「めざす会」事務局の白沢さんから紹介がありました。①紹介議員一人につき一枚の傍聴券(みんなの党、日本共産党、社民党)、条件として車いすは2人分のみ、②一般傍聴30枚(本会議開始30分前に受付で待つ)、③短時間傍聴(見学者用で15分)でした。
聴覚関係は②の一般傍聴で、皆さんの了解を得て優先的に入れさせてもらいました。衛視の方も障害者が傍聴することも経験済みらしく慣れたものでした。
傍聴には注意事項があり、声を上げるなどの品格を乱してはいけないことが条件でした。
一般傍聴の受付をして、その後、傍聴券をもらいました。傍聴席は3階でした。3時半ぎりぎりに傍聴席に座りました。
傍聴席のすぐ下は、記者席になっています。議長席の正面にテレビ用のカメラ、両脇にはカメラマンや記者席があり、たくさんの人がいました。

傍聴席の2列目に聴覚障害者が座り、手話通訳者は議長席正面を背にして行いました。
私はすべての閣僚が席に座って本会議が始まるのかと思っていましたが、いきなり議長が入ってきて始まりました。もちろん野田総理大臣はいませんでした。小宮山大臣、川端大臣、細野大臣は座っていました。なぜ座っていたかというと、議案提案があり採択しなければならないからです。採択が終わるとすぐに大臣は後ろのドアからいなくなりました。
また、速記者も10分間で交代していました。2人1組になって5分間だけ4人になるように工夫されていました。


さて、本会議が始まりました。私たちが傍聴したいという法案の前に、注目すべき法案がありました。それは原子力委員会関係でした。採択が正面の電子画面に打ち出されます。投票総数、賛成、反対 と。参議院は一瞬に採決が行われます。それはボタン一つ押すだけで投票が終わるからです。その法律が可決される瞬間、カメラのフラッシュがたかれました。細野大臣が頭を深く下げて退席をしていきました。このシーンはニュースで流れたし、新聞でも報道されていました。

いよいよ私たちの関係する総合支援法についての審議が始まりました。正式には、「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案」です。小林正夫厚生労働委員長が報告しはじめた時間は4時5分でした。3分ほど、委員会での報告をしました。その中で、「「障害者自立支援法」の法律名を「障害者総合支援法」に改める」と言っていました。反対意見を言うこともなく、すぐに採決に入りました。

傍聴席にいるみんなで眼を鋭くして電光掲示板を見つめました。「投票総数234、賛成210、反対24」と表示され、可決してしまいました。声を上げることもできなかったのですが、傍聴していたみんなが本当にがっかりした一瞬でした。
この採択を見届けてから、退席をしました。



4時半から路上集会を再度開きました。
まず、怒りを国会にぶつけるということで、シュプレヒコールをしました。

車いすの太田さんが最初にお話しされました。
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私たちと約束をしておきながら、名前だけを変えた法律を作ってしまった。基本合意、骨格提言何もかも無視、無視、無視。
国会は審議を十分していない。これが新法なんて到底認められない。新たな課題に向かって団結していこう。
最悪な法律になってしまったが、私たちがこれまで一定期間運動してきたことは、貴重な財産である。誇りをもって闘っていこう。明日からも運動していこう。
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その他の参加者の声からいくつか紹介します。

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■車いすの五十嵐さん
法律が成立してしまった。何を信じて良いかわからない。しかし、世界に誇れる日本の法律を作るんだという気構えで、また、運動していこう。

■田村敏子議員
新法と言えない法律が成立してしまった。それをみんなで見届けてくれた。わが党の議員数が足りないため、反対意見を本会議に中で述べることができなかった。委員会でどんなことが追求されたのかも説明をしないで終わってしまった。
でも、決して諦めない。落ち込んでいられない。太田さんのことばに「負けてはいない。負けながら勝っている」がある。私のブログにも紹介させてもらっているが、まさに負けながら勝っている。基本合意、骨格提言を大事にする法律を作っていこう。

■全日本ろうあ連盟の吉原理事
新法でなく一部改正のままで成立してしまったことは非常に残念。長く議論した基本合意、骨格提言を無視して反対意見もできずに短時間で終わってしまった。基本合意、骨格提言を実現できるよう力を合わせて今後も頑張っていきましょう。
これまでの運動でみんなの党の川田龍平議員は、意見を変えてくれた。変わってくれる議員もいる。これからはぜひ、わかってもらうための取り組みが必要です。
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最後に、めざす会の白沢さんから行動提起がありました。

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今日で一旦打ち切りとしたい。今後の運動は、役員会で協議し、どのように運動していくかを提案していく。基本合意、骨格提言を組み入れた法律をどうやって成立させるか考えていきたい。
いろいろ課題がある。
①工程表をどうするか
②障害区分をどうするか。政令で決まることになったが内容が決まっていないので詰めることが必要
③3年後の審議をだれがどのように進めていくのか。

19日間で延べ4500人の人が集まった。みんなで自分のことを誉めよう。日本の政治を変えたい、日本を変えたい。
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全員の気持ちを合わせて最後のシュプレヒコールで集会を締めくくりました。
総合支援法を廃止せよ
自立支援法を廃止せよ
応益負担は許さないぞ
基本合意を守れ
骨格提言を尊重せよ
私たち抜きに私たちのことを決めるな

5時に決意を新たにして、解散しました。

(一般社団法人全国手話通訳問題研究会理事 渡辺正夫)

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