2012年4月27日 自立支援法廃止、総合支援法の徹底審議求める
27日の国会議員要請行動に参加して来ました。その報告です。
27日は、朝から雨がひどく足下の悪い中での集会となりました。昨日、衆議院本会議で障害者総合支援法案が採択されてしまったので、舞台を衆議院から参議院に移しての抗議行動となりました。
参議院議員会館前に10時少し前に行くと、すでに徳島支部の川真田さんが来ておりました。雨の中を2人で公道に立ちました。また、東京から派遣された手話通訳の2人の方もすでにスタンバイしておりました。10時開始頃は30人くらいの参加者でしたが、時間が経つにつれ、参加者が増えてきました。最終的には300人が集まったという報告が事務局からありました。
開会の挨拶および情勢報告に藤井克徳さんがマイクを握りました。
「この雨の中、徳島県からも参加している人がいる。大変嬉しい。昨日、衆議院本会議で可決した総合支援法は、全く自立支援法の上塗りである。裏から見れば障害者自立支援法、表から見ればうっすらと総合福祉法である。両面をもった法律であるが、基本は障害者自立支援法であることに間違いない。
なぜ、こうなってしまったのか。それは官僚主導であったからである。骨格提言を1年以上も時間をかけて話し合った内容を、水で薄めてしまったのが厚生労働省そのもの。その提案された法律を鵜呑みにしたのが民主党ワーキンググループの議員たち。法律の本質も探究することなく法律案を信じてしまっている。ワーキンググループは29回開催したがほとんどがアマチュアの審議であった。ヒヤリングも以前の自民党を同じ方法で、恣意的な団体を呼んで意見を聞いたのみ。野党である自民党も公明党も自分たちの果たす役割をしていない。していないというよりも、自分たちが作った障害者自立支援法を少しでも傷つかないようにしたかったのが本音である。その結果、官僚と旧与党の思惑どおりに受け入れてしまったのが経緯である。
そんな経緯をたどった法律はまともなはずがない。上塗り法であり、自己責任であることを残したままの法律である。障害者にとって始めて、市場原理を持ち込まれた法律である。衆議院本会議の結論はどうであれ、連休明けから参議院に舞台を移すことになっているが、骨格提言を輝きのあるものとしていかなければならない。そのためにもあきらめてはいけない。骨格提言、基本合意を基本にして運動をしていく。
この連休中は国会の審議はないと聞いている。早くても5月8日(火)に総合支援法の参議院での趣旨説明、5月10日(木)に3時間程度の委員会審議。5月11日(金)参議院本会議が開かれて可決成立することが予想される。予定がずれて遅くなったときは、5月10日(木)に趣旨説明、5月15日(火)に委員会審議、5月16日(水)に参議院本会議が開かれて可決成立の見通しとなっている。民主党は衆議院解散を一番恐れているので、審議を早めて成立を図りたいと思っている。衆議院が解散されてしまうとこれまで審議してきた法律が全て流れてしまう。それは民主党としては避けたいと思っている。
ですから連休明けの5月8日(火)から、9日、10日、11日、15日、16日を視野に入れて運動を展開していく。参議院での徹底審議を求めていく。全力をあげて骨格提言に近づけることを求めていく。今の法律は私たちが求めていたものとは全く違った方向の法律である。とにかくあきらめない。参議院が第一歩であると考えて運動を強めていこう。」
藤井さんからは昨日の情勢をわかりやすく説明していただきました。
司会からは、「これまでは、会の代表者にマイクを握って思いを語っていただいたのですが、この雨の中、全国から大勢の人たちが参加しているので、一人ひとりに一言ずつしゃべってほしい。」ということになり、参加者一人一人がマイクを握ってお話し下さいました。
徳島、大阪、滋賀、京都、東京、神奈川、埼玉などから参加しておりました。特に多くの方は、基本合意をしたときの訴訟団の本人および補佐人の方が多く参加されていました。
この中から2から3つほど紹介します。
・民主党のある東京の議員の所へ署名をもって説明をしていたら、「今日はこの法律は扱わないよ」と言っていた。今日話し合う内容がファックスで届くがそのファックスに書かれていないので審議しないものと思っていたらしい。こんな議員がいっぱいいる中で衆議院本会議では厚労委員会委員長の簡単な説明だけの14分だけで終わってしまった。初めから私たちをだますつもりでやっているとしか思えない。
・新聞にこの法律が可決されたことがどこの新聞にも掲載されていない。昨日は小沢裁判があったので仕方が内面もあるが、こんなことで良いのか。
・TBSで報道された。その中に「一部の障害者団体が反対している」と発表された。一部だけではない。本当にやりきれない気持ちになった。
徳島県から参加された川真田さんからは、「藤井さんの講演を聴いて今日は参加したいと思って徳島から来た。とにかく、藤井さんがお話ししていた、あきらめない、ぶれない、こびない、これをしっかりもってみんなと一緒に頑張ろうと思っている」との発言があった。
一人ひとりから発言があり最後にもう一言と言うことで藤井さんからお話がありました。
「この法律はどうみても障害者自立支援法である。上塗り法である。裏から見れば障害者自立支援法、表からはうっすらと総合福祉法。国は嘘をついたことが2つある。一つは、基本合意を反故したことである。もう一つは障害者自立支援法を廃止して新法を作ったんだということである。嘘を一回つくと新しい嘘をつかなければならなくなる。嘘の連鎖である。それからTBSの報道について、一部の団体が反対していると言うことが報道された。誰が言っているのかと言えば、官僚が一部と言っているのである。記者クラブは官僚から情報をもらっている。ある記者は、そのことを厚労省からもらったと言っていた。記者たちのそのことを鵜呑みにしてしまっている。情けないこと。一部の団体だけが反対しているのではないことを確認しよう。2月から3月にかけて、191の地方議会では骨格提言を尊重しろということで障害者自立支援法の廃止を決議している。自主的にあるいは超党派で議決をしている。また、その当時の社説などでは、骨格提言を尊重すべきという論調であった。新聞社独自の見解で社説などを書いている。
191の国に対する意見書をあげているのである。一部だけの反対でないのは、コレを持ってみても明白である。自信をもってやっていく必要がある。障害者を閉め出す法律を作ってはいけない。正論はすぐに答えが出ないことが多い。今日、集まった300人の人たちに言いたい。どこかで形を変えて正論が出てくる。降参しないでつながって行こう。ゴールデンウィークに力を蓄え、連休明けに力をぶつけよう。」
閉会宣言として、電動車いすに乗った太田さんから挨拶がありました。
「障害者自立支援法は憲法違反であると訴えた。国は誤りを認め基本合意した。その和解したことを無視し、骨格提言も反映しない総合支援法は昨日、衆議院で採決されてしまった。引き続き新法をきちんと作ることを求め運動を続けていこう。連帯を強めていこう。今後は参議院にこのことが伝わるよう多くの人が集まって行動をしよう。本当に意味で成功するようにしよう。」
事務局から、シュプレヒコールの前に一言言いたい、とコメントがありました。
「デンマークではナチスドイツに占領されてしまったことがあった。しかし、地下で新聞をつくり世間に情報を提供した。ファシズムがナチスドイツを破った歴史がある。レジスタンス運動である。ノーマライゼーションを提唱した人はこのナチスドイツに牢屋に入れられた人であった。この人は、後にデンマークの大臣になった。このような歴史がある。民主主義を守り平和な国家を作るため運動をしていこう。」
そのあと、シュプレヒコールをして解散しました。
「基本合意を守れ!」
「参議院は徹底審議をやれ!」
「骨格提言を尊重しろ!」
「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」
「私たちは諦めないぞ!」
「最後の最後まで諦めないぞ!」
(渡辺正夫)
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